平成筑豊鉄道の路線バス転換方針が正式決定 沿線に波紋
経営難が続く第3セクターの平成筑豊鉄道を巡り、福岡県の服部知事が鉄道を廃止して路線バスに転換する方針を、沿線9市町村の首長に正式に伝えた。この決定を受け、沿線住民からは鉄道の姿が消えることを惜しむ声や、新たな路線バスの運行方法に対する具体的な要望が相次いでいる。
鉄道本社では不透明な将来に職員も困惑
福岡県直方市と同県行橋市を結ぶ平成筑豊鉄道の本社(福岡県福智町)では、方針決定後も日常業務が粛々と行われていた。取材に応じた職員は「今後どうなっていくのか全く分からない状況だ」と語り、先行きへの不安を隠さなかった。
住民からは不便への懸念 高校生の通学にも影響
本社に隣接する金田駅を頻繁に利用する直方市の60代女性は、実家のある福智町との行き来に月に5回ほど同鉄道を利用しているという。「バスに変わると時間がかかって不便になるかもしれない」と、交通手段の変更による生活への影響を心配する声を上げた。
特に注目されるのは、県立田川高校(同県香春町)の状況だ。今年度、全校生徒の4分の1に相当する約120人が通学に平成筑豊鉄道を利用してきた。豊福成史校長は、路線バスへの転換に際し、渋滞などによる運行の乱れや定時性、輸送能力への懸念を明確に示した。「生徒たちがこれまで通り、普通に高校生活を送ることができる環境を確保してほしい」と強く要望している。
沿線自治体の首長も様々な反応
服部知事から決議結果の報告を受けた沿線自治体の首長たちは、それぞれ異なる立場から反応を示した。
交通手段の維持を最優先に考え、路線バス案を支持してきた行橋市の工藤政宏市長は「我々とは異なる考えを持つ自治体も存在した。そのような意見にも十分に配慮しながら、今後も議論を重ね、より良い形にしていく必要がある」と述べ、合意形成の難しさをにじませた。
一方、平成筑豊鉄道の本社が所在し、上下分離方式による鉄道維持案を支持していた福智町の黒土孝司町長は「すでに決定した事項なので、従うしかない。町民をはじめとする沿線住民全員が利用しやすい路線バスの実現を強く望んでいる」と語り、現実を受け入れつつも住民の利便性向上を求める姿勢を示した。
この方針転換は、単なる交通手段の変更にとどまらず、沿線地域の生活スタイルや通学環境、さらには地域経済にも少なからぬ影響を与えることが予想される。今後、具体的なバス運行計画の策定と、住民や利用者への丁寧な説明が求められる局面が続きそうだ。



