東海道新幹線「のぞみ」混雑緩和へ新発想 1時間最大13本に増便実現
東海道新幹線「のぞみ」1時間最大13本に増便 (15.03.2026)

東海道新幹線「のぞみ」混雑緩和へ新発想 1時間最大13本に増便実現

東海道新幹線「のぞみ」の1時間あたり最大運行本数が、14日のダイヤ改正により12本から13本に増加した。これは「指定席が取りにくい」という利用者の声に応えるための措置である。6年前に10本から12本に増えた際には「ほぼ完成形」とも言われたダイヤだが、JR東海は発想の転換と駅での観察をヒントにさらなる増発を実現した。

需要急回復で増発の必要性高まる

東海道新幹線の需要はコロナ禍後に急回復し、2025年度の輸送量はコロナ禍前の2018年度の水準を上回る106%(2月末時点)となった。インバウンドを含む観光利用の伸びが特に大きく、連休初日の午前中など需要が高い時間帯では「指定席がなかなか取れない」「希望の時間が埋まっている」といった声がJR東海に寄せられていた。

2020年のダイヤ改正で10本から12本への増発を実現した際には、加速性能の高い車両への統一信号が変わる5秒前に発車予告する表示灯の設置車内清掃時間の12分から10分への短縮といった様々な工夫が既に施されていた。しかし、同社は2024年秋に「最大13本」という新たな目標に向けて検討を加速させた。

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駅観察とダイヤ組み合わせの新発想

ダイヤ改正の計画や増発策を練る新幹線鉄道事業本部輸送課の秋山大器・課長代理(48)のチームが着手したのは、駅や車内の状況を詳しく観察することと、ダイヤを「基本」から見直すことだった。

東海道新幹線のダイヤは、一つの「パターンダイヤ」を軸に作られてきた。これは毎時間の発車時刻をそろえたダイヤを指し、これを基本に早朝や深夜は利用動向に合わせて変化を加えて1日のダイヤを構築してきた。

2020年のダイヤ改正からは、のぞみの運行本数が1時間あたり「12本」のパターンダイヤを使ってきたが、各駅の列車間隔や通過駅での最高速度などを考慮する必要があるため、「13本」のパターンダイヤを作っても全ての時間帯に一律に適用することは難しい。

そこでチームは、「12本」と「13本」の2種類を組み合わせる発想にたどりついた。特に混雑する朝夕は「13本」、それ以外の時間帯は「12本」を使うという考え方である。

具体的な工夫とデータ分析

「13本」を実現する上で役立ったのが、社員による駅での観察とデータ分析だ。例えば観光客の利用が急増している小田原駅(神奈川県)では、乗降に必要な停車時間を延ばせることが判明し、一部の「ひかり」「こだま」にのぞみの通過待ちをさせることにした。

また、新大阪駅では、東京に折り返すための準備に約30分かかる列車があることに着目。「新大阪駅止まり」ではなく、需要が高まっている山陽新幹線直通の「博多行き」に変更することで、新大阪駅での滞在時間を約2分に縮めた。

このほか、品川駅を終点とするのぞみを新設するなどの工夫により、朝夕の時間帯を中心に「13本」を実現できるめどが立った。

同課の小川陽久担当部長(50)は「12本をめいっぱい走らせても需要を満たせず、心苦しかった。13本目が走ることで人の流れが変わるのを見るのが今から楽しみ」と語った。

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