花粉飛散最少地域は鹿児島県徳之島の伊仙町 首都圏では湾岸沿いが低い傾向
気象情報会社のウェザーニューズ(本社:千葉市)が実施した調査により、日本国内における花粉飛散数の地域差が明らかになりました。同社は沖縄県を除く全国の都道府県で計測された花粉飛散数データを基に、2022年から2025年までの3月から5月にかけての日ごとの数値を集計し、平均値を算出しました。
南西諸島が圧倒的に少ない結果に
調査結果によると、全国で最も花粉の計測数が少なかったのは鹿児島県徳之島の伊仙町でした。驚くべきことに、1平方センチメートルあたりの花粉数は実にゼロ個であり、1個も検出されていませんでした。同様に、隣接する奄美大島や喜界島の自治体でも1個前後と極めて少ない数値が記録されています。
専門家は、これらの南西諸島の島々が海に囲まれており、風上に花粉の発生源となる森林がほとんど存在しないことが主な理由と分析しています。地理的な条件が花粉飛散の抑制に大きく寄与していると考えられます。
首都圏では湾岸地域が比較的少ない
東京都内に目を向けると、伊豆諸島に位置する青ケ島村や八丈町では10個未満と少ない数値でした。一方、23区の中では江東区が17個で最も少なく、続いて墨田区が33個、世田谷区が38個となっています。
首都圏全体では、湾岸沿いの地域で花粉数が少ない傾向が確認されました。例えば、千葉県浦安市は28個、市川市は34個でした。また、北海道や日本海側の地域でも比較的少ないエリアが多く見られました。
ウェザーニューズで花粉飛散予想を担当する柳博氏は、「湾岸沿いはスギ林が多い秩父や多摩地域から距離があり、海風の影響も受けやすいためでしょう。同様に、北風が吹く日が多い日本海側では、山間部からの花粉が到達しにくいと考えられます」と解説しています。
花粉最多地域は青森県階上町
反対に、花粉が最も多かったのは青森県階上町で、1平方センチメートルあたり156個を記録しました。次いで愛知県東栄町が146個、東京都町田市が137個、神奈川県相模原市南区が137個と続いています。
愛知県東部の山間部に位置する東栄町では、面積の約9割が民有林であり、その大半がスギとヒノキで占められています。町役場の林業担当者は、「気温が上昇する時期には、花粉の影響で空が曇ったように見えることもあります」と語り、地域の実情を説明しました。
花粉症有病率は徳島県が最多
ウェザーニューズが1万352人を対象に実施した「花粉症調査2026」によると、回答者の56%が花粉症に罹患していると答えました。都道府県別では、徳島県が69%で最多となり、次いで栃木県と埼玉県が64%、静岡県と三重県が63%でした。
一方、最も低かったのは北海道と青森県で32%でした。ただし、スギやヒノキの多い地域に花粉症患者が集中しているとは限らない点も指摘されています。
林野庁のデータによれば、スギとヒノキは国内の人工林1009万ヘクタールのうち約7割を占めています。スギは秋田県や宮崎県、岩手県、青森県などで特に多く、ヒノキは高知県や岐阜県、静岡県、岡山県、愛媛県など西日本を中心に分布しています。
花粉飛散は突発的に増加する傾向
花粉は常に一定量が飛散しているわけではなく、天候や風向きによって大きく変動します。相模原市の相模原病院では長年にわたり独自の花粉計測を続けており、耳鼻咽喉科の鈴木立俊部長は、「花粉は毎日少しずつ飛ぶというより、シーズン中に4~5回、風が強く暖かい日に集中的に大量に飛散するイメージが近いです」と述べています。
実際、普段は花粉が少ない山形県や新潟県、富山県などでも、特定の日に急増するケースが確認されています。このような突発的な飛散が花粉症症状の悪化につながる可能性もあり、注意が必要です。



