東京都日野市の日野自動車工場跡地に建設が計画されている大型データセンターを巡り、建設主体の三井不動産に対し、日野市が騒音低減や排熱対策、二酸化炭素(CO2)排出量の削減など八つの項目を盛り込んだ要請書を提出していたことが、関係者への取材で明らかになった。地元では環境悪化への懸念から建設反対の住民運動が続いており、市の対応が注目されている。
要請の内容と背景
要請書は四月二十三日付で、三井不動産の植田俊社長宛てに出された。要請項目には、データセンターの稼働に伴う電力消費量やCO2排出量などの基本情報の開示、環境影響評価(アセスメント)の実施、実質的に使用する電力を再生可能エネルギー100パーセントとすること、生物多様性の保全、最高で七十二メートルにも及ぶ建物の高さの再検討などが含まれている。
計画によると、工場跡地の西側部分約十一万四千平方メートルに、幅三百メートルにわたってデータセンター三棟を建設する予定だ。着工は二〇二六年十月、完成は三一年二月を見込んでいる。市の環境審議会は二月に情報公開を求める意見書をまとめており、今回の要請はその流れを受けたものとみられる。
住民の懸念と市の対応
データセンター建設予定地の周辺では、騒音や排熱、CO2排出による環境悪化を懸念する住民の声が強まっている。四月二十五日には、住民約三十人が市役所前で抗議の声を上げ、建設の中止や計画の見直しを求めた。住民の一人は「大型データセンターがもたらす環境負荷は計り知れない。市はもっと真剣に住民の意見を聞くべきだ」と訴えた。
市は要請書の中で、三井不動産に対して「地域の理解を得ながら事業を進めるよう強く求める」とし、計画の透明性を高めるよう求めている。また、要請に応じない場合には、さらなる措置を検討する可能性も示唆している。
データセンターを巡る動き
近年、デジタル化の進展に伴い、データセンターの需要が急増している。一方で、その建設に伴う環境問題や地域との摩擦も顕在化しており、全国各地で同様のトラブルが報告されている。専門家は「データセンターは大量の電力を消費し、排熱や騒音が問題となる。立地自治体は環境影響評価を徹底し、住民との合意形成を図る必要がある」と指摘する。
三井不動産はこれまで、最新の省エネ技術を導入し、環境負荷を低減する方針を示しているが、具体的な対策について詳細は明らかにしていない。市の要請を受けて、今後の対応が注目される。



