つくばエクスプレス沿線で住宅供給拡大 つくば市が新たな区域指定を実施
茨城県つくば市は、住宅需要の高まりに対応するため、つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の一つである葛城地区周辺約440ヘクタールについて、建築業者などが都市計画法に基づいて住宅を建てられる「区域指定」に追加しました。この決定は2026年4月1日に正式に発表され、市は「住宅が建てられる土地の供給を行政として増やす」としています。
市街化調整区域の規制緩和で住宅建設を促進
つくば市開発指導課によると、葛城地区周辺はこれまで市街化を抑制する「市街化調整区域」に指定されていました。この区域では、住宅の建築には市長の許可が必要で、許可はその土地の出身者などに限られる場合が多かったのです。しかし、2007年から運用されている区域指定制度により、指定された区域内であれば、出身を問わず誰でも許可が得られるようになります。
これまで、葛城地区周辺はTX沿線のまちづくりに影響を及ぼす可能性があるとして、区域指定から除外されてきました。今回、近隣で宅地としての開発・利用が進んできたことを受け、新たに要地区、遠東地区など計11か所を指定しました。これにより、住宅建設の機会が大幅に拡大することが期待されています。
市長が住宅需要への対応を強調 不動産専門家は価格高騰緩和に期待
五十嵐立青つくば市長は、3月12日の記者会見で、「つくばで住みたい、家を建てたいという方たちがたくさんいる一方、不動産事業者からはもう土地がないと言われ続けている。県外からの移転先として選んでもらっている今、チャンスを捉える意味で区域指定は重要だ」と述べ、今後も新たな区域指定を検討するとしました。
羽場不動産鑑定事務所(龍ヶ崎市)の不動産鑑定士、羽場睦夫さんは、「つくばでは住宅価格が高騰している。新たな区域指定で、これまでの地域に比べれば安く住宅が建てられるようになるだろう」と分析します。一方で、県外から引っ越してきて茨城で家を建てようとする人は、駅やスーパー、学校などが近いことを条件にすると指摘し、「それらの施設が近くにないことを考慮すると、県外から人は来ないのではないか。県内からの住み替えの需要はあると思う」と懸念を表明しました。
指定された区域の詳細は、つくば市地図データサイト「つくミル」で検索できるようになっており、市民や事業者への情報提供が進められています。この取り組みは、住宅不足解消と地域活性化を目指すつくば市の重要な施策として注目されています。



