女性用便器の数を男性以上に設定 国交省が初のトイレ指針を策定
国土交通省は3月13日、トイレの設置数や基準に関する初のガイドラインを発表しました。この指針では、駅や商業施設など多くの人が利用する施設において、利用者数が男女でほぼ同じ場合には、女性用トイレの便器の数を男性用以上とすることを求めています。女性用トイレの行列解消を目指し、待ち時間が男女で平等になるような対応を事業者などに促す内容となっています。
男女の便器数に乖離 社会進出で利用増加
ガイドラインでは、多くの施設で女性用の便器が男性用よりも少ない現状を指摘。女性の社会進出などにより外出先でのトイレ利用が増加しているにもかかわらず、男女の便器数に「乖離」が生じていると問題視しました。「男女問わず快適に利用できる」ことを前提に、利用者数が男女でほぼ同じ施設では、女性便器の数を男性(個室と小便器の合計)以上とする基準が必要だと強調しています。
柔軟な構造と面積活用を提案
さらに、イベントによって利用者の男女比が大きく変わるスタジアムやアリーナ、劇場などでは、「新設段階から柔軟に調整できる取り組み」の必要性を指摘。男性用と女性用のトイレの間仕切りを動かせる方式や、男女を切り替えられるトイレの構造を例示しました。トイレの面積比についても柔軟な運用を求め、トイレ外の倉庫やポンプ室をトイレに改修し、便器数を増やした事例を紹介しています。
具体的な事例として、Gメッセ群馬では女性用トイレと男性用トイレを区切る壁を職員が専用のハンドルを使って動かせる構造を採用。これにより、需要に応じてトイレの配置を調整できる仕組みが整えられています。
デジタル活用と行動変容も重要
商業施設ではフロアごとの利用者数のばらつきが大きいため、デジタルサイネージなどでトイレの空き状況を可視化し、比較的空いている階を示すなど、利用者の分散を促す工夫も効果的だとしています。待ち時間を減らす点では、個室における化粧やスマホの利用など「不要不急」の行動を控えるように行動変容を促すことも重要だと指摘しました。
石破前首相の肝いり 骨太方針に明記
女性用トイレの行列対策は石破茂前首相の肝いり施策として進められてきました。昨年6月の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に「女性トイレの利用環境の改善」と明記され、これを受けて国交省が昨年11月から有識者協議会を設置。ガイドラインの作成を進めてきた経緯があります。
協議会の座長を務め、ガイドライン策定に関わった日本トイレ協会の小林純子・名誉会長は13日の会合で、「大量のデータを収集して、より俯瞰してトイレ待ちの問題をみることができた。継続しながら、定期的にこういう会議をできるといいなと望んでいます」と語りました。また、「待ち時間の平等」が明記されたことについて「大きな一歩」と評価する声も上がっています。
このガイドラインは2026年を目処に具体的な実施が期待されており、公共施設や民間施設におけるトイレ環境の改善が進む見込みです。国土交通省は今後も関係機関と連携しながら、実効性のある取り組みを推進していく方針を示しています。



