在日外国人の入居拒否問題が深刻化 国籍による一律判断に「不公平」の声
外国人への規制強化が議論される中、日本で働き暮らす外国人の存在感は増している。しかし、多くの外国人が住宅探しで困難に直面しており、入居を断られるケースが後を絶たない。言葉の壁やマナーの違いを理由に、オーナーが外国人を拒否する傾向が強まっているためだ。排外主義的な風潮を懸念する声が上がる一方で、「共生」を目指す動きも各地で見られる。
中東出身夫婦の苦い経験 大阪での入居拒否
中東出身の夫婦は昨年、九州から大阪へ引っ越すため、複数の不動産仲介大手のサイトを何日もかけて検索した。気に入った10件ほどの物件を選び、休日に新幹線で大阪へ赴き、日本人の知人と共に仲介業者の店舗を訪れた。担当者が家主や取扱業者に次々と電話をかける中、「外国人」と伝えた瞬間、断られていることが明らかになった。
「時間をかけて慎重に選んだ物件がすべて断られ、見ることさえできなかった」と夫婦は語る。結局、「外国人可」と表示された数件から、広さや条件を考慮し、騒音が気になる部屋を契約せざるを得なかった。「過去に外国人とトラブルがあったのかもしれない。でも、外国人をすべて同一視するのはアンフェアだ」と不満を漏らす。
企業も直面する住居問題 広島の事例
外国人従業員が多くいる企業も、住居確保に頭を悩ませている。広島県尾道市の船舶関連会社「大晃産業」では、従業員約70人のうち3分の1が技能実習生などの外国人だ。同社の丸吉里奈さん(31)は、人員増加に向けて1年前からアパートを探しているが、なかなか確保できない状況が続く。
昨年、手頃な物件を見つけ、仲介業者に問い合わせたところ、入居者が外国人だと知ると、業者の態度が硬化した。「外国人はダメ」と一点張りで、交渉の余地がなかったという。このように、国籍を理由とした入居拒否が常態化し、外国人の生活基盤を脅かしている。
共生への模索 公営団地での取り組み
一方で、外国人との共生を進める動きも見られる。公営団地には外国人住民の割合が高い地域も多く、例えば愛知県西尾市のある団地では、ゴミ出しのルールがポルトガル語で記載されている。このような取り組みは、言語の壁を減らし、地域コミュニティの融和を促す試みとして評価されている。
しかし、全体としては、入居拒否の問題が根深く残る。外国人労働者への依存度が高まる日本社会において、住宅市場の偏見や差別は、持続可能な共生の妨げとなっている。専門家は、オーナーや仲介業者への教育や、多様性を尊重する制度の整備が急務だと指摘する。
今後、政府や自治体がどのようにこの問題に対処し、外国人を含むすべての住民が安心して暮らせる環境を構築するかが問われている。国籍による一律判断ではなく、個人の背景や行動に基づいた公平な評価が求められる時代だ。



