築55年の空き家を一棟貸し宿に再生 高知・妙山寺が檀家との縁を紡ぐ新事業
築55年空き家を宿に 妙山寺が檀家との縁を紡ぐ

檀家との縁を紡ぐ一棟貸し宿「有縁」が高知・妙山寺で開業へ

高知県安芸市本町の妙山寺が、2026年3月20日のお彼岸を期に、一棟貸しの宿「有縁」の営業を開始する。この取り組みは、県外に住む檀家から墓じまいの相談を受けたことをきっかけに始まった。檀家は家も手放したいと希望し、寺が築55年の木造空き家を買い取って改修。遠方からの墓参りを支援し、安芸との縁を継続させる願いを込めて命名された。

茶道教室だった家を宿に再生、昭和の雰囲気を残す

宿となる建物は築55年の木造2階建てで、かつては檀家のきょうだいが茶道教室を開いていた。玄関先と縁側には美しい庭がしつらえてあり、檀家自身も愛着を持っていた。妙山寺の北善孝住職(43)と妻のえりかさん(41)は、檀家から「ちゃんとした人に売りたい」との相談を受け、一棟貸し宿としての活用を提案。半年後に買い取りを申し出て、2025年7月から改修に着手した。

改修では、柱や梁、屋根瓦はそのまま活用し、和室の一部を板張りに変更。縁側の大窓や水回りを新調し、浴室を設置した。2階廊下の床は磨き上げ、木枠の窓を残すことで昭和の懐かしい雰囲気を漂わせている。内覧会では「同窓会で帰省した友人を泊めたい」との声も寄せられたという。

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宗教法人としての手続きを経て、檀家以外も歓迎

妙山寺は浄土宗西山禅林寺派で、応仁の乱以降の創建と伝わる古刹。宗教法人が旅館業を営むため、法務局と県に寺の規則変更を申請し、本山の許可を得るなど手続きに時間を要した。北住職は「県の手続きは時間がかかり、営業できなかったらどうしようと悩んだ」と振り返るが、開業が迫った今では笑い話になっている。

宿泊料金は2~7人で1泊税込み3万円からを予定。檀家以外の利用も歓迎しており、法事や観光での利用が期待される。北住職は「法事だけではいずれ寺は運営していけないとの危機感もあった」と語りつつ、「手を合わせること自体が減った時代だからこそ、ご縁を大事にしたい。永代供養に出して終わりではさみしいでしょう」と縁の継続への思いを強調した。

問い合わせは妙山寺(0887・35・3244)まで。この取り組みは、空き家問題の解決と地域活性化を両立させる事例として注目を集めそうだ。

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