鳥取県米子市のJR米子駅前「駅前通り」で3月に実施された歩行者空間化の実証実験について、市は出店者、沿道事業者、通行者を対象としたアンケート結果を公表した。周辺道路で大きな混乱はなかった一方、イベント時以外は大きなにぎわいにつながらず、出店者や沿道事業者の評価は低いという結果が浮かび上がった。
実験の概要
実証実験は、駅前通りの一部を4車線から3車線に減らし、生まれた1車線を歩行者向けに活用するもの。2024年秋の3日間の実験に続き2回目で、今回は3月1日から29日までの約1か月間実施され、キッチンカーの出店などが行われた。
アンケート結果
アンケートは4月12日時点で集計。出店者は延べ54事業者のうち43事業者、沿道事業者は180事業者のうち54事業者、徒歩と自動車の通行者は計191人が回答した。
出店者の評価
出店者の回答では、売り上げや人通りについて否定的な回答が7割以上を占め、全体評価でも好意的な回答は2割にとどまった。
沿道事業者の評価
沿道事業者では、「ホテル・旅館」を除くすべての事業者区分で、実験に否定的な意見が半数以上を占めた。
通行者の評価
徒歩の通行者のうち6割が好意的な評価だったが、自動車で通行した7割が「普段より通過時間が多くかかった」と回答。通行者全体では5割が「車線減少で混雑した」、3割が「車道の見通しが悪くなった」と感じた。
交通影響と課題
4交差点での朝夕の渋滞調査では大きな変化はなかったが、運送事業者への個別聴取では荷降ろしなどに支障が生じた。キッチンカーの1日当たり来店者数は、イベント開催日は100~260人だったのに対し、非開催日は6~38人と大きな差があった。
今後の展望
一連の実験は、人口減少を見据え「車中心」から「公共交通と歩行者中心」への転換を目指す市の施策の一環。駅前通りの実証実験は今回で一区切りとし、市都市創造課は「趣旨への理解や賛同を得るため、フォーラムなどによる理解促進が必要。結果を踏まえ、駅前通りの将来像をさらに検討する」としている。



