赤羽根漁港で深刻な砂堆積、津波観測施設が機能停止に
愛知県田原市赤羽根町の赤羽根漁港で、砂の堆積により適正な水深が維持できず、船舶が航行できなくなるリスクが顕在化している。さらに、港内に設置された津波観測施設が砂の堆積によって観測不能となり、気象庁は全国で初めての事例としている。
堆積の現状と背景
赤羽根漁港は、海難事故時の避難港として機能する第4種漁港で、1953年に国が整備を開始した。愛知外海漁協によると、同港ではシラス漁が盛んで、2025年度には約370トンの水揚げがあった。しかし、開港以来、海流で運ばれる砂の堆積が課題となっており、防砂堤の設置や年1回の浚渫作業が行われてきた。ところが、昨年秋ごろから堆積が特に深刻化しているという。
航路部分の本来の水深は4.5メートルだが、堆積が激しい一部区域では干潮時に海底の砂が露出する状態だ。管理する県三河港務所建設課の担当者は「異常な状況を把握しており、波の穏やかな冬季に船での浚渫を行うが、堤防上からの作業も検討している」と述べた。
津波観測施設の機能停止
港の防波堤に設置された津波観測施設は、電波センサーと水圧センサーで潮位と津波を観測している。気象庁環境・海洋気象課によると、砂の堆積により干潮時に海底が露出し、4月18日ごろから観測不能となった。同課の成沢達也調査官は、全国102カ所の津波観測施設のうち、観測不能となったのは能登半島地震による海底隆起のケース以来で、砂の堆積が原因は初めてだと説明。気象庁は今月中旬に可搬型津波観測計を設置する方針で、成沢調査官は「06年に設置したばかりで驚いている。早期復旧を目指す」と語った。
地元漁業者の危機感
地元の漁業関係者は強い危機感を抱いている。シラス加工「長栄」の小久保知弘社長(45)は「休漁となれば会社の存続が危ぶまれる」と懸念する。愛知外海漁協の吉武正康組合長(65)は「サンドポンプで砂を吸い上げて埋め立てに活用するなど、抜本的な対策を求める」と訴えた。



