国交省がANAに業務改善勧告 整備士の虚偽記録と不適切修理で航空安全に懸念
ANAに業務改善勧告 整備士の虚偽記録で国交省が厳重措置 (14.04.2026)

国交省がANAに業務改善勧告 整備士の虚偽記録と不適切修理が相次ぐ

国土交通省は4月14日、全日本空輸(ANA)に対して、航空法に基づく行政指導にあたる業務改善勧告を出したと正式に発表しました。この措置は、同社の整備士が意図的に虚偽の整備記録を作成し、必要な修理作業を怠るなど、悪質な不正行為が複数確認されたことを受けたものです。ANAには、5月15日までに再発防止策を詳細に報告することが求められています。

大阪伊丹空港での虚偽給油記録と隠蔽工作

国交省の調査によると、ANAの整備士は昨年11月27日、大阪(伊丹)空港において、一部の機体での使用が禁止されているブレーキ用作動油を誤って給油してしまいました。問題は、この誤りに気づきながらも、整備記録には正規の油を給油したと虚偽の記載をした点にあります。安全性や環境性能には直ちに問題はないとされていますが、この行為は明らかな規則違反です。

さらに、不正が発覚するのを防ぐため、後日になって油の一部を正規のものに交換するよう同僚に指示し、その際の整備記録を意図的に作成しなかったことも判明しました。この一連の行動は、組織的な隠蔽工作の疑いを強く示しています。

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成田空港での貨物室損傷修理怠慢と運航継続

同時に、成田空港では同年11月13日、貨物機の貨物室内にレールで3ミリを超える損傷が生じていたにもかかわらず、報告を受けた別の整備士が必要な修理作業を実施しませんでした。当該整備士はこれを「軽微な不具合」と判断していましたが、これは明らかな誤りです。

ANAの整備部門自体が損傷を確認した後も、本来なら即座に修理に出すべきところを、損傷したレールを使用しない状態で運航を継続させていました。この対応は、航空機の安全基準を著しく軽視する行為として厳しく批判されるべきものです。

過去の違反事例と安全管理システムの不備

ANAでは、2024年9月にも重大な整備違反が発生していました。右主脚のタイヤの一つが規定値を下回る空気圧であったことを整備士が確認しながら、業務規則に反して交換せず、加圧して出発させた事案です。さらに、整備士からの報告を受けた大阪基地が、約1カ月間にわたりANA本部に報告しなかった点も問題視されました。

国交省は当時、「整備担当者が意図的に違反行為をした」と指摘し、報告遅延についても「安全管理システムが十分に機能していない」と厳重注意をしていました。しかし、再発防止策が講じられる中で、今回また同様の不正が起きたことから、国交省は「意図的に行われていた悪質な行為」と判断し、より重い業務改善勧告に踏み切ったのです。

今後の対応と航空安全への影響

今回の業務改善勧告は、ANAの整備部門における組織的な体質改善を強く求めるものです。国交省は、同社が提出する再発防止策の内容を厳格に審査し、実効性のある対策が講じられるよう監視を強化していく方針です。

航空業界では、安全最優先が鉄則であり、整備記録の虚偽記載や修理怠慢は航空機の信頼性を根底から揺るがす重大な問題です。ANAは、この事態を真摯に受け止め、再発防止に向けた抜本的な改革を急ぐ必要があります。利用者や関係者からの信頼回復に向け、透明性の高い対応が強く期待されています。

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