大型の台風6号が三重県内に最接近した3日、県内各地で激しい風雨に見舞われた。5月末に防災気象情報に新設された「レベル4危険警報」が県内で初めて発表され、県南部を中心に10市町が避難指示を出した。尾鷲市では24時間降水量535・5ミリを記録し、6月の観測史上最大となった。台風は去ったものの、県は土砂災害などへの警戒を呼びかけている。
レベル4危険警報の発表と避難状況
県によると、「レベル4土砂災害危険警報」は3日未明に熊野市などに発表されたのを皮切りに、計10市町に出され、同日午前までに解除された。「レベル4氾濫危険警報」は津市と松阪市を流れる雲出川などで一時発表された。最大約74万人が避難対象となったが、実際に避難したのは383人にとどまった。
被害の詳細
名張市では床下浸水が1件発生したほか、倒木が住宅に当たってガラスが割れ、住人の女性が足に軽いけがを負った。県全体で大きなけが人は確認されていない。県管理国道や県道では同時に最大60カ所が通行止めとなった。南伊勢町東宮の国道260号では車道の一部が陥没し、路面が波を打つように変形。3日早朝から周辺3・5キロの区間が通行止めとなり、規制解除の見通しは立っていない。
学校関係では、公立の小中高など全校が休校。私立も通信制や全寮制を除くほとんどで休校した。一部の学校では午後から授業を行った。紀北町相賀など海山地区の数カ所では冠水が確認され、温水プールなどが入る紀北健康センターの周辺が15~30センチほど冠水。JR紀勢線の相賀駅周辺も水に漬かった。
農業や漁業への影響
松阪市嬉野平生町では、田植えを終えたばかりの田んぼや収穫前の麦畑が水に漬かった。近所に住む女性(70)は、所有する3反の田畑を農家に貸し出しており、「5月中旬に稲を植えたところ。どうなるのか」と心配した表情を浮かべた。JA伊勢によると、強風によって御浜町などで出荷の最盛期を迎えた特産の梅4・5トンが落下したとみられ、熊野市内でミカンの木が数本倒れた。
尾鷲市や紀北町の沿岸部では流木や枯れ枝などが浮かび、漁業関係者が対応に追われた。尾鷲魚市場では三重外湾漁業協同組合の職員がフォークリフトなどで流木やごみを集め、箱に入れて市場外へ運び出した。紀北町の長島港内にも、近くを流れる赤羽川から大量の流木などが流れ着き、漁業関係者ら約70人が船に乗り込み、網を使い手作業で回収。大きな流木はクレーンも使って引き揚げた。地元の漁師、大倉浩之さん(60)は「ここ最近で一番ひどい。全て撤去するのに2、3日はかかるのでは」と話した。漁の再開は7日ごろになる見通し。
一見勝之知事は、大雨で土砂災害のリスクが高まっているとして、「山の斜面など危険な場所に近づくことは避けて」と呼びかけた。



