長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡したスキーツアーバス事故を巡り、東京高裁は22日、バス運行会社社長らに実刑を言い渡した一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。事故から10年。法廷で控訴棄却を聞いた遺族らは大きくうなずき、判決の理由に耳を傾けた。
遺族らは裁判に臨むたび、我が子を失った悲しみや喪失感と向き合いながらも、法廷に足を運び続けた。その背景には「二度と悲惨な事故が繰り返されないように」との強い願いがあった。
事故の概要
2016年1月15日の未明、東京・原宿から斑尾高原へ向かっていたスキーツアーバスが軽井沢町でガードレールを突き破り、道路脇に転落。大学生ら15人が死亡し、26人が重軽傷を負った。
遺族の取り組み
遺族らは事故の再発防止を願い、遺族会「1.15サクラソウの会」を立ち上げた。サクラソウは軽井沢町の町花で、事故後、長野県警の警察官が遺族に接触した際にサクラソウの鉢を手渡したことにちなむ。遺族は「責任の所在を明確に」と訴え続けてきた。
大学1年だった長男の陸人さんを失った遺族は、19歳の息子が戻らない現実を受け入れながらも、法廷に立ち続けた。判決後、遺族らは「これで終わりではなく、事故の教訓を風化させてはいけない」と語った。
事故から10年が経過し、現場となった軽井沢町では今も安全対策が続けられている。遺族の願いは、同じ悲劇を二度と繰り返さないことだ。



