三菱UFJ元行員の貸金庫窃盗事件 東京高裁も懲役9年判決を支持
三菱UFJ元行員の貸金庫窃盗 高裁も懲役9年支持

三菱UFJ元行員の貸金庫窃盗事件 東京高裁も一審判決を支持

三菱UFJ銀行の支店貸金庫から顧客の金塊や現金を盗んだとして窃盗罪に問われた元行員の控訴審判決で、東京高等裁判所は2026年3月24日、懲役9年とした一審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却しました。

繰り返された貸金庫からの窃盗行為

被告は山崎(逮捕時は今村)由香理被告(47歳)で、外国為替証拠金取引(FX)などで重ねた多額の借金を返済するため、2023年3月から2024年10月にかけて犯行を繰り返しました。勤務先の支店貸金庫から顧客の金塊29個(時価総額約3億3千万円相当)、現金約6千万円、旅行券50枚(計25万円分)を盗み出し、総額は約3億9千百万円に上ります。

一審判決ではこれらの事実が認定され、懲役9年の刑が言い渡されていました。被告側は量刑が重すぎるとして控訴していましたが、東京高裁の田村政喜裁判長は一審判決を全面的に支持する判断を示しました。

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控訴審での被告の心情と判決の背景

今月5日に開かれた控訴審第1回公判では、被告が法廷で心情を語る場面がありました。被告は「一審判決を大変重く受け止めている」と述べる一方で、「社会復帰するにあたり、懲役9年という先の見えない不安に駆られている」と語り、刑期の短縮を求めていました。

また、被告は「三菱UFJ銀行を悪く思わないでほしい」と涙ながらに訴える場面もあり、元勤務先への配慮を見せていました。しかし、裁判所は計画的な犯行の繰り返しや被害額の膨大さ、金融機関職員としての信頼を裏切った行為の重大性を重視し、一審の量刑を妥当と判断しました。

金融機関の内部犯行と社会的影響

この事件は、金融機関の内部にいる者が貸金庫という顧客の財産を預かる場所から窃盗を働いた点で、特に社会的関心を集めています。貸金庫は顧客が貴重品を安全に保管する場所として信頼されており、その信頼を職員自らが損なう行為は、金融システム全体への信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。

判決文では、被告がFX取引などによる借金返済のために犯行に及んだ経緯が詳細に記述されており、ギャンブル性の高い投資取引と借金問題が重大犯罪へと発展したケースとしても注目されます。金融機関ではこの事件を受けて、貸金庫管理の再点検や内部統制の強化が進められる見込みです。

東京高裁判決は、この種の内部犯行に対して厳しい姿勢を示すものであり、今後同様の事件に対する司法判断の基準となる可能性があります。被告の刑期は確定し、社会復帰までの長い道のりが始まることになります。

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