実の娘への性的虐待動画をSNSで共有、二審も懲役12年の判決維持
名古屋市の男性が未成年の実の娘に対して性的暴行を繰り返し、その様子を撮影した動画を交流サイト(SNS)のグループで共有していた事件で、名古屋高等裁判所は2026年3月25日、一審の懲役12年判決を支持する控訴審判決を言い渡しました。松田俊哉裁判長(中山大行裁判長代読)は弁護側の控訴を棄却し、量刑不当の主張を退けました。
裁判所が指摘する「常習性の高さと悪質性」
判決によれば、被告人の男性(40歳)は2022年から2024年にかけて、自宅やホテルなど複数の場所で、当時10歳から13歳だった実の娘に性的暴行を加え続けました。さらに、その行為の様子を動画で撮影し、SNS上の特定グループで共有していたことが明らかになっています。
弁護側は一審の量刑が重すぎると主張して控訴していましたが、裁判所はこれを認めませんでした。判決文では「被告人は性的虐待を繰り返しただけでなく、その様子を撮影して他者に提供している。この行為は常習性が高く、極めて悪質である」と厳しく指摘。
さらに「同種の事案の中でも特に重い部類に属しており、量刑が不当であるとは言えない」として、一審名古屋地方裁判所の判断を全面的に支持する結論を示しました。
罪状と事件の概要
男性は以下の罪に問われていました:
- 不同意性交罪
- 性的姿態撮影処罰法違反
- 児童ポルノ提供罪
事件が発覚した経緯は、SNS上で共有されていた動画が外部に流出し、警察の捜査につながったとされています。被害を受けた娘は複数回にわたる暴行により、深刻な心的外傷を負っていることが関係者への取材で明らかになっています。
この判決は、未成年者に対する性的虐待がデジタル技術を通じて拡散される現代的な犯罪の深刻さを浮き彫りにしました。裁判所が「同種事案の中でも特に重い」と認定した背景には、実の父親による継続的な虐待と、その記録を不特定多数と共有した行為の二重の悪質性が考慮されています。
名古屋高等裁判所の判決により、男性の懲役12年の刑が確定することになります。弁護側はさらに上告する可能性もありますが、二審で量刑主張が退けられたことで、司法がこのような犯罪に対して厳格な姿勢を示した事例として注目されています。



