広島県警が中国企業に転職した元社員を営業秘密侵害容疑で逮捕
広島県警察本部は2月11日、プラスチック製品を生産するための機械を開発する県内企業の元社員である40歳の男性を、不正競争防止法違反(営業秘密侵害)の疑いで逮捕したと発表しました。男性は現在、中国に居住している会社員です。
私有HDDに設計図面を複製保存した疑い
県警の調べによると、男性は昨年8月、勤務していた企業のサーバーから、製造機械の設計図面などのデータ5点を私有の外付けハードディスクドライブ(HDD)に複製保存したとされています。この行為は5回にわたって行われたと見られています。
男性はこれらのデータに対する閲覧権限を有しており、同社からの届け出を受けて県警が捜査を進めていました。複製されたデータは同社の営業秘密に該当する重要な情報とされています。
中国企業への転職と容疑者の対応
県警の発表では、男性は昨年12月に同業種の中国企業へ転職したことが明らかになりました。転職の時期とデータ複製の時期が近接している点が注目されています。
逮捕後の調べに対して、男性は「今は言いたくない。弁護士と面会してから話をする」と述べ、現時点では詳細な説明を控えていると伝えられています。この発言から、今後の捜査方針や弁護士との協議が焦点となることが予想されます。
営業秘密保護の重要性と捜査の背景
不正競争防止法は、企業の営業秘密を不正な手段で取得・使用・開示する行為を禁止しており、経済活動の公正な競争を保護することを目的としています。今回の事件は、国際的な人材移動が活発化する中で、営業秘密の適切な管理が改めて問われるケースとなりました。
広島県警は、企業からの通報を基に捜査を開始し、証拠収集を進めた結果、今回の逮捕に至りました。同様の事件が増加傾向にあることから、企業側の内部統制強化と従業員教育の重要性が指摘されています。
今後の捜査では、複製されたデータの内容や使用目的、中国企業への情報流出の有無などが詳細に調べられる見込みです。また、国際的な捜査協力が必要となる可能性もあり、法執行機関の連携が注目されます。



