姉妹都市の友好の証しが盗難に遭い、地元中学生が立ち上がる
岡山市が姉妹都市である米国カリフォルニア州サンノゼ市に贈った桃太郎の銅像が、昨年10月に盗難に遭った事件を受け、岡山市は3月26日、銅像再建のためのクラウドファンディングを開始しました。この取り組みの発案者は、昨夏の海外派遣事業でサンノゼ市を訪問した岡山市の中学生8人です。彼らは「私たちの桃太郎は負けない。サンノゼのジャパンタウンに、再び友好のシンボルを」と熱いメッセージを発信し、広く協力を呼び掛けています。
30年近く親しまれた友好の象徴が突然の被害
盗難に遭った桃太郎像は、高さ約1.5メートル、重さ約300キロの銅製の像で、1993年に両市の友好の象徴として岡山市からサンノゼ市に贈られました。その後、サンノゼ市庁舎近くの公園に設置され、約30年にわたり現地で親しまれてきました。しかし、昨年10月、像が根元から切断されていることが発見され、盗難事件として扱われることになりました。
この事件を知った8人の中学生は、ちょうど海外派遣でサンノゼ市を訪れ、現地の人々との交流を通じて友好の絆を肌で感じたばかりでした。事件の報告を受けた彼らは、「自分たちにできることはないか」と強い思いを抱き、岡山市国際課に相談を持ち掛けました。この中学生たちの熱意が、市の動きを後押しする形となったのです。
目標額300万円のクラウドファンディングがスタート
岡山市はサンノゼ市との協議を経て、クラウドファンディングの実施を決定。銅像の再建には、制作費や輸送費、設置費などを含め総額約1500万円が必要と見込まれています。今回のクラウドファンディングでは、まず300万円を目標額として設定。目標額を超える寄付があった場合も、全額を岡山市に贈る形で進められます。不足分については、サンノゼ市が募金活動などで賄う計画です。
寄付の受付は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を通じて、6月12日まで実施されます。窓口となるのは岡山市国際交流協議会で、寄付者には返礼品として、岡山市とサンノゼ市の両市長からの感謝状が贈られる予定です。この取り組みは、単なる銅像の再建だけでなく、国際交流の意義を若い世代が主体的に考えるきっかけにもなっています。
中学生たちの発案が実現した背景には、地域の国際交流に対する深い関心と、盗難事件に対する憤りの感情がありました。彼らは「友好の絆を壊す行為は許せない」という思いを胸に、行動を起こしました。岡山市国際課の関係者も「若い世代のこうした積極的な姿勢は、今後の国際交流をより豊かなものにするでしょう」と期待を寄せています。
サンノゼ市側も、このクラウドファンディングの取り組みを歓迎しており、地域を超えた協力の輪が広がりつつあります。桃太郎像は、単なる銅像ではなく、両市の長年にわたる友好関係を象徴する重要な存在でした。その再建に向けた動きは、新たな国際協力の形を示す事例としても注目されています。



