自民党派閥裏金事件 大野泰正元議員の公判が結審 無罪主張に検察は罰金求刑
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪に問われた元参院議員の大野泰正被告(66)と元秘書の岩田佳子被告(62)の公判が3月26日、東京地裁で結審しました。検察側は大野被告に罰金150万円、岩田被告に罰金50万円をそれぞれ求刑。これに対し、弁護側はいずれも無罪を強く主張し、法廷論戦が終了しました。判決の言い渡しは6月23日に予定されています。
争点は「寄付」認識の有無 弁護側は「預かり金」と主張
本件の主な争点は、派閥側から還流された販売ノルマ超過分のパーティー券収入について、政治資金収支報告書への記載が義務付けられる「寄付」との認識が被告側にあったかどうかに集中しています。起訴状によれば、両被告は共謀して2018年から5年間にわたり、還流されたパーティー券収入の合計約5100万円を受け取りながら、大野被告が代表を務める政治団体「泰士会」の収支報告書に記載しなかったとされています。
検察側は論告で、派閥側と返却のやり取りをした形跡がなく、大野被告の私的支出や事務所経費などに充てる口座へ入金した経緯を詳細に指摘。「派閥から譲渡された寄付金との認識が明らかにあった」と主張しました。一方、弁護側は最終弁論において、両被告とも収支報告書の作成に関与しておらず、記載が必要との認識も一切なかったと反論。還流金はあくまで「預かり金」として管理されており、寄付とはみなされないと強く訴えました。
大野被告が最終意見陳述 声を上ずらせ潔白を訴える
公判の最後に意見陳述に立った大野被告は、3人の裁判官に丁寧に一礼した後、証言台の前に進みました。そして、感情を込めて次のように述べました。
「国民に政治不信を招いたことは痛恨の極みです。しかし、事実を曲げることはできません。虚偽記載には一切関わっていない」
大野被告は声をわずかに上ずらせながら、専門家から預かり金であると説明を受けた経緯を改めて説明。「絶対に事故がないように管理していた」と強調し、寄付との認識を完全に否定しました。さらに、「全てを懸けて政治活動に誠心誠意取り組んできた。そのことに一点の曇りもない」と、自身の政治的キャリアに対する潔白を力強く訴えかけました。
事件の背景と今後の展開
この事件は、自民党内の派閥を中心とした政治資金パーティーの収入還流問題が表面化した一連の捜査の一部として浮上しました。大野被告は旧安倍派(清和政策研究会)に所属していた元参議院議員であり、事件の核心は政治資金規正法が求める透明性と報告義務の在り方に深く関わっています。
今後の注目点は以下の通りです。
- 6月23日に予定されている判決で、裁判所が「寄付」認識の有無をどのように判断するか。
- 本件が他の類似事件や政治資金規正法の運用に与える影響。
- 国民の政治に対する信頼回復に向けた、今後の政治的対応。
結審を迎えた公判は、政治と法の狭間で繰り広げられた緊迫した論戦の幕を閉じましたが、判決までの約3ヶ月間、関係者や世論の注目は引き続き高いものとなるでしょう。



