素材メーカー元社員不起訴 技術情報持ち出し疑いで東京地検が判断
東京地検は2026年3月24日、環境配慮型素材の開発メーカー「TBM」の技術情報を不正に持ち出したとして、警視庁に不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で書類送検された元社員の男性(58)を不起訴としたことを明らかにした。地検は不起訴の理由については具体的な説明を行っていない。
技術データ持ち出しの疑いで書類送検
この男性は2023年6月、同社が開発する環境配慮型素材に関する重要な分析データを不正に持ち出した疑いが持たれ、昨年2025年8月に書類送検されていた。技術情報の流出は企業の競争力に直結する問題であり、捜査当局は慎重な対応を進めていた。
ほう助容疑の元社員も不起訴に
さらに東京地検は、同じ事件に関連して不正競争防止法違反ほう助容疑で書類送検されていた別の元社員の男性(35)についても不起訴処分とした。この男性もTBMの元従業員であり、技術情報流出事件に関与した疑いで捜査の対象となっていた。
不起訴判断の背景について、法律専門家は「営業秘密に関する事件では、証拠の確実性や意図の立証が難しいケースがある」と指摘する。企業の技術情報保護と従業員の権利のバランスが問われる複雑な事件となっていた。
環境配慮型素材市場は世界的に成長しており、TBMは日本を代表する開発メーカーの一つとして知られている。今回の不起訴処分により、同社の技術情報管理体制や内部統制の在り方にも注目が集まりそうだ。
警視庁と東京地検は引き続き、企業の営業秘密を保護するための法執行に取り組む方針を示している。今後の類似事件への対応にも影響を与える判断として、産業界からも関心が寄せられている。



