食料品店が「地下銀行」の窓口に、銅線窃盗団の不正送金で逮捕者
埼玉県警察は、カンボジアへの不正送金を目的とした「地下銀行」を無許可で運営した疑いで、東松山市の自営業の女性(45歳)と群馬県大泉町の食品店従業員(38歳)の両容疑者を銀行法違反(無許可)容疑で逮捕しました。この事件は、大規模な銅線窃盗事件に関連する資金洗浄の一端を浮き彫りにしています。
地下銀行の運営と送金の詳細
県警の発表によると、逮捕された2人は2024年7月から2025年6月にかけて、同国籍の男女3人から合計約240万円を預かり、カンボジアにいる受取人に米ドルで送金したとされています。この行為は、無許可で銀行業を営んだ疑いが持たれています。県警は、容疑者たちの認否については現時点で明らかにしていません。
興味深い点は、群馬県大泉町で女性が営む食料品店が、この地下銀行の窓口として機能していたことです。県警は、2人が預かった額と実際の送金額の差額が、彼らの報酬となっていた可能性があると見て、詳細な調査を進めています。
銅線窃盗団との関連性
県警幹部の説明では、送金を依頼した男女3人は、関東地方を中心に約100件、被害総額約1億5000万円に上る銅線窃盗事件で摘発されたグループの一員です。この窃盗団は、銅線を売却して得た現金を、本国の親族に送金するために地下銀行を利用していたとみられています。
依頼者たちは不法残留の状態にあり、「正規の手続きでは送金ができないため、この地下銀行を利用していた」と供述していると伝えられています。この供述は、不法滞在者が金融システムを迂回する手段として、地下銀行が利用されていた実態を示唆しています。
事件の背景と社会的影響
この事件は、組織的な窃盗犯罪と国際的な資金移動が結びつく、複雑な犯罪ネットワークの存在を浮き彫りにしました。銅線窃盗は、インフラ被害や経済的損失をもたらす深刻な社会問題ですが、今回の逮捕は、その犯罪収益がどのように海外に流出していたかを明らかにする重要な手がかりとなります。
県警は、地下銀行の運営者と窃盗団の関係をさらに解明し、資金洗浄の全容を解明するため、継続的な捜査を進めています。この事件は、無許可の金融活動が犯罪組織にどのように利用されるかを示すケースとして、金融規制当局の監視強化の必要性を喚起する可能性があります。



