名古屋大元准教授が提訴 盗撮被害後の大学対応で「二次被害」主張
名古屋大元准教授が提訴 盗撮被害後の大学対応で二次被害

名古屋大元准教授が大学機構を提訴 盗撮被害後の対応で「二次被害」主張

名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区)において、男子学生から盗撮被害を受けた元准教授の40代女性が、大学側の不適切な対応による「二次被害」で退職を余儀なくされたとして、大学を運営する東海国立大学機構に対して220万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地方裁判所に起こしました。機構側はこの請求に対して争う姿勢を明確に示しています。

事件の経緯と大学の対応を巡る主張

訴状によりますと、女性は大学院の理系研究科に所属していた2023年6月、トイレの個室にいた際に顔見知りの学生から盗撮を受けたとされています。女性は個室の上から向けられたスマートフォンに気付き、その場で学生を取り押さえて大学職員に引き渡しました。しかし、大学は当日中に警察へ通報せず、学生を聴取した後に帰宅させ、その後学生が直接謝罪しようと研究室を訪れる機会を与えたと指摘されています。

さらに女性は、不安を訴えた自身に対して大学が「守るため」として、翌2024年度に予定されていた全ての授業担当を外したことについても、「加害学生の権利を優先し、被害者に対して不適切かつ配慮に欠ける対応だった」と強く主張しています。この対応は労働契約法に基づく職場環境配慮義務に反するものだと訴えています。

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大学側の反論と学生の処分状況

これに対して東海国立大学機構は訴訟の中で、学生に対しては授業と無関係な場所への立ち入りを禁止し、保護者に監督を依頼するなど適切な対応を取ったと反論しています。また、授業担当を外したことについては女性自身も同意していたと主張し、「原告は機構の運営姿勢に対する抽象的不満を述べているに過ぎない」として、請求の棄却を求めています。

盗撮を行った学生については、大学から停学3カ月の懲戒処分を受けており、さらに愛知県迷惑行為防止条例違反罪で罰金刑の有罪判決が確定していることが明らかになっています。

退職の経緯と司法への訴え

女性は再発防止策や事後対応の検証を大学に求めてきましたが、その消極的な姿勢に失望し、勤務が困難になったとして2024年度末で退職しました。そして2025年12月に提訴に至っています。女性は大学において理系の女子学生を増やすための広報活動にも協力してきた経緯があり、取材に対して次のように語っています。

「組織として『性暴力は絶対に許さない』という姿勢を示すことが先ではないのか。泣き寝入りする被害者が二度と出ないよう、やむを得ず司法の場に訴えることにした」

東海国立大学機構は取材に対して、「係争中のためコメントは差し控える」と回答しています。この訴訟は、大学における性暴力被害者への対応の在り方や組織の責任について、大きな問いを投げかけるものとなりそうです。

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