役所開庁時間短縮、全国で拡大 働き方改革とマイナカード普及が背景に
役所開庁時間短縮、全国で拡大 働き方改革とマイナカード普及

京都府内の自治体で、役所の窓口受付時間を短縮する動きが広がっている。木津川市と笠置町は今月から、従来の午前8時半~午後5時15分から午前9時~午後4時半に変更。京丹後市も10月から同様の体制に移行することを発表した。背景には、働き方改革の推進やマイナンバーカードの普及による来庁者数の減少がある。

職員の負担軽減とサービス向上

木津川市では、職員の勤務時間が午前8時半~午後5時15分であるため、窓口業務の準備や残務処理で時間外勤務が発生していた。奥田真行総務部長は「短縮した時間を職員間の打ち合わせなどに充て、市民サービスの向上につなげたい」と説明する。実際、午前9時までと午後4時半以降の来庁者は全体の約9%と少なく、影響は限定的とみられる。

一方、同市加茂町の75歳の住民は、高額療養費の申請のために市役所を訪れ、「昼までに帰りたくて早く来た。支所より市役所の方が手続きがスムーズ」と話す。開庁時間短縮については「仕方ない」と理解を示しつつ、「地元での出張サービスを始めてほしい」と要望した。

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各地で広がる短縮の動き

京都市は2020年、新型コロナウイルス感染拡大防止を機に、区役所や支所の開庁時間を午前9時開始に遅らせた。2025年以降、南丹市、舞鶴市、亀岡市、京丹後市、宮津市が短縮を実施または試行。八幡市も7月から試験的に導入する。

京丹後市は今年1月から試行し、窓口対応職員30人の時間外勤務が1人当たり月平均約10時間減少。手当計約156万円を抑制できたとして、10月からの本格導入を決めた。こうした効果が他の自治体にも波及している。

マイナカード普及が後押し

開庁時間短縮の背景には、マイナンバーカードの普及がある。コンビニエンスストアで住民票の写しなどが取得できるようになり、役所に来る必要性が低下。笠置町ではこうしたサービスは行っていないが、山本篤志町長は「そもそも役場に来る人が少ない」として短縮に踏み切った。

一方、慎重な姿勢の自治体もある。精華町の幹部は「代わりにどんなサービスを向上させられるのかをしっかり考えないと」と述べ、城陽市人事課の担当者は「来庁者への影響を検討しなければ」と話す。

新たな対応策も模索

京丹後市は開庁時間短縮の一方、車両で地域に出向き証明書の発行に応じる「移動市役所」の実証実験を来年1月に開始するなど、新たなサービス提供方法を模索している。他の自治体でも、同様の取り組みが広がる可能性がある。

開庁時間短縮は、職員の働き方改革と住民の利便性のバランスが問われる課題だ。マイナカード普及やオンライン手続きの拡大により、今後さらに多くの自治体で導入が進むとみられる。

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