傷害致死事件で無罪判決 千葉地裁「共犯者の供述は信用できず」
傷害致死で無罪判決 千葉地裁「共犯者供述は信用できず」

知人への傷害致死事件で無罪判決 千葉地裁が共犯者の供述を「信用できない」と判断

千葉地裁(池田知史裁判長)は2026年3月11日、知人を暴行して死亡させたとして傷害致死罪に問われた男性被告に対し、無罪判決を言い渡した。裁判所は、検察が有罪の根拠とした共犯者の供述について「信用できない」と明確に否定し、被告の無罪を認める判断を示したのである。

事件の概要と裁判の経緯

この事件は、2025年7月29日に千葉県柏市のアパートで発生した。住人の野上永遠さん(当時21歳)が腹部を殴られるなどの暴行を受け、出血性ショックにより死亡した。検察は、松戸市の無職・高橋翔被告(22歳)と、もう一人の住人である斎藤城被告(22歳)が共謀して暴行を加えたとして、両者を傷害致死罪で起訴した。

高橋被告は裁判員裁判において、初公判から一貫して「暴行していない」と起訴内容を否認し、無罪を主張していた。一方、検察側は斎藤被告の供述に基づき、高橋被告が野上さんに暴行したと主張していた。

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判決の核心となった共犯者供述の信用性

判決文では、斎藤被告の供述について詳細な分析が行われた。裁判所は、斎藤被告の供述が捜査段階から変遷している点を指摘し、高橋被告の供述が一貫していること、さらにLINEの記録などの客観的証拠とも整合していることを重視した。

特に重要な指摘として、判決は「高橋被告の供述によって逮捕された斎藤被告が裏切られたことに腹を立て、高橋被告にも責任を分担させることで自分の法的・社会的な責任を軽減しようと考え、虚偽の供述をした疑いを否定できない」と述べている。この判断により、斎藤被告の供述は証拠としての信用性を失い、検察側の立証は不十分と結論づけられたのである。

弁護側と検察側の反応

判決後、高橋被告の弁護人である立花朋弁護士は「密室で起きた証拠の少ない事件において、裁判所が我々の主張をフェアに判断してくれた」と述べ、判決を評価した。一方、千葉地検の平野達也次席検事は「判決内容を精査し、適切に対処したい」とのコメントを発表し、今後の対応を検討する姿勢を示している。

なお、共犯者とされる斎藤被告については、一審で有罪判決を受けており、現在は控訴審が進行中である。この事件は高校時代からの友人関係にあった3人の中で起きた悲劇であり、人間関係の複雑さが裁判の焦点となったケースと言える。

今回の判決は、共犯者の供述のみに依存した立証の限界を浮き彫りにするとともに、裁判員裁判においても証拠の客観的評価が徹底されるべきであるという司法の原則を改めて示すものとなった。検察側が求刑した懲役7年という刑期を覆す無罪判決は、刑事司法における証拠評価の厳格さを印象づける結果となっている。

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