ヒグマ駆除で銃許可取り消し訴訟、最高裁が弁論 ハンター「誰も撃てなくなる」と訴え
ヒグマ駆除で銃許可取り消し訴訟、最高裁が弁論

ヒグマ駆除で銃許可取り消し訴訟、最高裁が弁論を実施

北海道公安委員会に銃を所持する許可を取り消された猟友会の男性が、その処分の違法性を訴えた訴訟において、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は2026年2月27日、男性と北海道の双方から意見を聴取する弁論を開きました。男性は「安心してハンター活動ができるようにしてほしい」と強く訴え、判決は同年3月27日に言い渡される予定です。

事件の経緯と双方の主張

男性は、北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(76歳)です。2018年、砂川市からヒグマの駆除を依頼され、ライフル銃を1発撃ち、上り斜面にいたヒグマに命中させました。北海道側は、斜面に建物があったため「建物に向けて発砲した」と判断し、銃所持許可を取り消しました。

池上さん側は弁論で、ハンターが警察の代わりに鳥獣を駆除し、社会貢献を果たしている点を重視すべきだと主張。許可取り消しは裁量を逸脱しており、違法であると訴えました。

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これに対し、北海道側は、現場近くに市職員や警察官がいたことから「人の生命や身体が危険にさらされていた」と主張。発射行為は極めて危険だったと述べ、許可取り消しは妥当であると反論しました。

下級審の判断と最高裁への期待

一審の札幌地裁は、建物に弾丸が当たる具体的な危険性を認めず、北海道側の処分を違法と判断して取り消しました。しかし、二審の札幌高裁は、弾丸がヒグマに命中したとしても、その後の弾道の変化などで建物に届くおそれがあったとして、処分を適法と判断しました。

弁論後の記者会見で、池上さんは「私ひとりの問題ではありません。本来は警察がやるべきことをやっているのに、こんなことになるなら誰も撃てない」と語り、問題の深刻さを強調しました。

代理人の中村憲昭弁護士は「現場に萎縮効果が生まれています。最高裁には、ハンターが安心して撃てるような指針を示してもらい、速やかに池上さんに銃を返してほしい」と求めました。

社会的背景と今後の展開

この訴訟は、民間ハンターによる鳥獣駆除の役割と、銃所持許可の基準をめぐる重要な争点を浮き彫りにしています。近年、相次ぐクマ被害に対し、ハンターの活動が社会貢献として評価される一方、安全確保の観点から規制が強化される傾向にあります。

最高裁の判決は、今後のハンター活動や行政の対応に大きな影響を与える可能性があり、関係者の注目を集めています。判決まで約1カ月、双方の主張がどのように評価されるかが焦点となります。

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