「間違った正義感だった」神奈川県警巡査部長が主導した交通違反不適正取り締まりの実態
神奈川県警巡査部長が主導した交通違反不適正取り締まり

「間違った正義感だった」と語る巡査部長の告白

神奈川県警察で発覚した交通違反の不適正な取り締まり問題において、主導的な役割を果たしたとされる巡査部長(41歳)が自らの行為について「今思えば、間違った正義感だった」と語っていることが明らかになった。この発言は、組織的な不正の背景に潜む心理的要因を浮き彫りにしている。

茅ケ崎分駐所を拠点とした小隊の実態

書類送検された7名の隊員は、神奈川県警第2交通機動隊の第2中隊第4小隊に所属していた。この小隊は厚木市にある本隊から直線距離で約12キロ離れた茅ケ崎分駐所を活動拠点としており、小隊長(警部補)を含む5名で構成される比較的小規模な組織である。主な任務は自動車専用道路である「小田原厚木道路」などにおける交通違反の取り締まりであった。

問題の巡査部長は、巡査時代の2009年から2014年にも第2交通機動隊での勤務経験があり、県警関係者によれば「交通取り締まりの経験がかなり豊富な人間」と評価されていた。その専門性と経験から、直属の上司である小隊長よりも強い影響力を小隊内で有していたという。

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着任直後から始まった不正行為

同巡査部長は2022年3月に再び第2交通機動隊に着任したが、それ以前の所属部署では不適正な取り締まりは確認されていない。しかし、着任からわずか2カ月後の5月には、実際には現場に行っていないにもかかわらず、虚偽の実況見分調書を作成する不正に手を染めていた疑いが持たれている。

巡査部長はこの点について「小隊在任中に実況見分を行ったことはない」と認めている。さらにその理由として「実況見分を正規に実施すれば、準備などを含めて2~3時間はとられてしまう。隊員として1件でも多くの取り締まりをしたかった」と説明している。

スピード違反取り締まりにおける不適正手法

スピード違反の取り締まりに関しても、巡査部長は「違反者が追尾に気づいて減速した場合でも、取り締まりを実施していた」と語っているという。これは通常の手続きから逸脱した行為であり、違反者に対する適正な対応が行われていなかったことを示唆している。

この一連の不適正取り締まりは、隊員個人の「実績を上げたい」という動機と、組織内でのプレッシャーが複雑に絡み合った結果である可能性が指摘されている。県警内部では、交通違反取り締まりの件数が評価基準の一つとなっている現状があり、それが過度な成果主義を生み出す土壌となっていた側面も否定できない。

神奈川県警は現在、この問題について詳細な調査を進めており、すでに約2700件の交通違反処分を取り消す方針を明らかにしている。警察庁長官も「警察の信頼を損ないかねない重大な問題」として強い懸念を示しており、全国の警察組織における交通取り締まりの適正化が急務となっている。

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