神奈川県警の不適正交通取り締まり問題 警察庁長官が「信頼損ないかねない重大事案」と指摘
警察庁の楠芳伸長官は、2026年2月19日の定例記者会見において、神奈川県警第2交通機動隊で不適正な交通違反取り締まりが行われていた問題について、「交通違反取り締まりに対する国民の信頼を損ないかねない重大な事案だ」と厳しく指摘しました。この問題を踏まえ、適正な違反取り締まりに向けて全国の警察を指導していく考えも明らかにしました。
不適正取り締まりの詳細と具体的な疑い
問題となっているのは、神奈川県警第2交通機動隊(2交機)の第2中隊第4小隊茅ケ崎分駐所に所属する巡査部長らが、2022年から2024年にかけて、速度超過や車間距離不保持などの交通違反をめぐり、不適正な取り締まりを繰り返していたとされる事案です。
- パトカーが対象車両を追尾した距離について、交通反則切符(青切符)に実際より長く記載するなどの虚偽記載
- 現場での実況見分を実際には行っていないにもかかわらず、行ったように装って虚偽の実況見分調書を作成した疑い
- 隊員が「実績をあげたかった」という動機で不適正行為に及んだとされる
これらの行為は、交通違反取り締まりの公正さを根本から揺るがす重大な問題として浮上しています。
県警の対応と今後の措置
神奈川県警は今回の問題を受け、以下のような具体的な対応を進めています。
- 約2700件に及ぶ違反取り締まりの取り消しを実施する見通し
- 既に納付済みの交通反則金、総額約3500万円を還付する方針
- 巡査部長と他の隊員ら数人を、虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で近く立件する予定
これらの措置は、不適正な取り締まりによって不当に処分を受けたドライバーへの救済と、警察組織の信頼回復を目指すものです。
警察庁長官の見解と全国への指導方針
楠芳伸長官は記者会見で、交通違反取り締まりの本来の目的について次のように述べました。
「交通の安全を確保する上で、悪質性や危険性の高い違反などに重点を置き、交通事故抑止に資する取り締まりを行う必要がある。しかし、その前提として取り締まり自体が適正に行われなければならないのは当然のことだ」
さらに長官は、「警察活動は国民の信頼の上に成り立つものであり、警察庁としては神奈川県警に再発防止策を講じるよう、引き続き指導する」と強調しました。今回の問題を教訓として、全国の警察組織に対して適正な取り締まりの徹底を指導していく方針を示しています。
この問題は、交通違反取り締まりという警察の基本的な業務において、組織的な不適正行為が行われていた点で極めて深刻です。国民の警察への信頼を損なわないためにも、徹底した調査と再発防止策の実施が強く求められています。



