警察庁は1日、全国の都道府県警察の本部長らを集めた定例会議を東京都内で開催した。この会議で、楠芳伸長官は栃木県上三川町で5月に発生した強盗殺人事件に言及し、「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」の撲滅に向けた対策の前進が求められていると強調。「警察にとって、今が正念場だ」と述べ、全国の警察幹部に強い決意を促した。
匿流対策の現状と強化策
警察庁は昨年10月に「匿流情報分析室」を設置し、情報収集と分析を強化している。さらに、今年4月には、46道府県警から捜査員を警視庁に集める「匿流ターゲット取り締まりチーム(T3)」の人員を100人から200人へと倍増させるなど、体制を一段と強化した。
楠長官は、匿流が関与する特殊詐欺の被害が今年に入って増加している現状を踏まえ、「匿流の関与する事件の捜査を一層強力に推進し、被害防止対策については『できることは、すべてやる』との強い決意が必要だ」と指摘。特に、SNSなどの「匿名性の壁」に隠れた中核的な人物の検挙を徹底するよう求めた。
栃木事件への対応
栃木県の強盗殺人事件は、匿流による事件の可能性があるとされ、楠長官は同種事件の発生防止と全国警察を挙げた対策強化を指示した。この事件では、実行役の少年や現場の指示役の夫婦ら計7人が逮捕され、海外に逃亡した可能性がある益田和彦容疑者(48)が強盗殺人容疑で公開手配されている。捜査本部は益田容疑者を主導役とみて捜査を進めている。
楠長官は「国民の不安を解消するため、全力を挙げて匿流の撲滅に取り組む」と述べ、今後の捜査と対策の一層の強化を約束した。



