東大病院汚職で贈賄側に有罪判決、元教授らを風俗店やクラブで接待
東大病院汚職で贈賄側に有罪判決、元教授ら接待

東京大学医学部付属病院(東京都文京区)を舞台にした汚職事件で、同大大学院医学系研究科の元教授らに対し、風俗店などでの接待を目的に計約380万円を支出したとして、贈賄罪に問われた引地功一被告(52)の判決公判が26日、東京地方裁判所で開かれた。池上弘裁判官は、求刑の懲役1年2カ月に対し、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年2カ月)を言い渡した。

事件の概要

引地被告の起訴内容によると、同被告は一般社団法人日本化粧品協会の代表理事を務めていた2023年から2024年にかけて、共同研究の実施を請け負った見返りとして、東京大学大学院医学系研究科の元教授である佐藤伸一被告(62)(収賄罪で起訴)らに対し、東京都内の高級クラブやソープランドなどで、総額約380万円分の接待を提供したとされる。

共同研究の背景

化粧品の開発や研究に携わっていた引地被告は、大麻草由来で依存性が低いとされる成分「カンナビジオール(CBD)」の有効性を科学的に証明するため、佐藤被告側に共同研究を打診した。当時、佐藤被告は東大病院の皮膚科長を務めており、共同研究の実施を実質的に決定する権限を有していたという。

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接待の実態

検察側の冒頭陳述などによれば、引地被告は共同研究が正式に開始される前の2023年2月、佐藤被告らから「腹を割って話し合いたい」と持ちかけられ、会食の場を設けた。この際、飲食代として約15万円を支払ったのを皮切りに、その後も飲食店や高級クラブでの接待を繰り返した。さらに、佐藤被告から「クラブではキスもできないし手も握れない」などと要望されたことを受け、ソープランドでの接待も行うようになった。

強要の主張

2024年8月になると、共同研究に基づく化粧品販売の収益化の見通しが立たないことに佐藤被告が不満を募らせ、引地被告に対し「早く利益を出してよ」「化粧品が売れなかったら金を持ってこいよ」「まじで殺すよ」などと発言したとされる。引地被告はこの発言を恐喝未遂の疑いがあるとして警察に被害届を提出し、これがきっかけで汚職事件が表面化した。

公判で引地被告は起訴内容を認めたものの、「自発的な利益供与ではなく、佐藤被告らから暗黙の強要があった」と主張。共同研究に関して佐藤被告が強大な権限を持っていたことを挙げ、「機嫌を損ねれば研究が白紙になると恐怖を覚え、求めに応じるまま接待した」と述べた。

東大病院の対応

一連の汚職事件を受け、東大病院は本部直轄の管理体制を導入し、危機管理の最高責任者を新たに設置するなどの再発防止策を講じている。また、同病院では過去にも汚職事件が相次いでおり、3月には改革案が公表されたが、団体側から約6000万円の未納があったにもかかわらず気付かなかった点など、組織的な問題も指摘されている。

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