東京地裁は22日、東大大学院医学系研究科での共同研究をめぐり、風俗店や高級クラブで計約190万円分の接待を受けたとして収賄罪に問われた元特任准教授、吉崎歩被告(46)に対し、懲役1年執行猶予2年、追徴金約196万円の判決を言い渡した。求刑は懲役1年2カ月、追徴金約196万円だった。池上弘裁判官が判決を宣告した。
事件の概要
起訴内容によると、吉崎被告は2023年から24年にかけて、元教授の佐藤伸一被告(62)=収賄罪で起訴=と共に、一般社団法人日本化粧品協会の代表理事だった引地功一被告(52)=贈賄罪で公判中=から、共同研究を進める見返りとして、都内の高級クラブやソープランドで接待を受けた。接待総額は約196万円とされる。
この研究は、化粧品開発や研究を行っていた引地被告が、大麻草由来で依存性のない成分「カンナビジオール(CBD)」の有効性を明らかにするため、佐藤被告側に打診したもの。佐藤被告は東大医学部付属病院の皮膚科長として共同研究の実施を実質的に決める権限を持ち、吉崎被告はその部下だった。
検察の主張
検察側は、吉崎被告が引地被告に「また打ち合わせいかがですか。軌道に乗るまでは月に2回ほど」などのメッセージを送信し、接待を繰り返し要求したと主張。吉崎被告は佐藤被告の強い影響下にあったとしつつも、自ら接待を楽しみ、主体的に犯行に及んだと批判した。
弁護側の主張
弁護側は起訴内容を認め、「佐藤被告を師と仰いでおり、異を唱えるのは難しかった。巻き込まれて接待を受けた」と述べていた。
東大病院の対応
東大病院は一連の汚職事件を受け、本部直轄の管理体制に移行し、危機管理の最高責任者を新設するなどの改革を進めている。また、団体側から約6000万円の未納があったことにも気づかないなど、組織的な問題が指摘され、3月には改革案がまとめられた。
本事件は、大学病院の研究倫理とガバナンスの在り方に一石を投じるものとして注目されている。



