千葉県習志野市教育委員会は、旧石器時代から現代までの約3万年にわたる市域の歴史をまとめた書籍「図説 習志野市の歴史」(A4判、146ページ)を制作し、15日から販売を開始した。多くの市民が信じている「習志野」の地名の由来に関する俗説を覆す内容が注目を集めている。
「天皇の言葉」がきっかけではない?
習志野という地名の由来について、従来は1873年(明治6年)に行われた陸軍演習の際、明治天皇が「篠原に習え」と発言したことが起源とされてきた。この説は市の公式ホームページでも紹介されており、市民の間で広く浸透している。しかし、今回発行された書籍では、この説を「俗説」と断じ、当時の宮内省内での議論が天皇に報告され、「習志野」と呼ぶことが決まったと解説している。
市教委の見解
書籍では、宮内省職員の回顧談をもとに、演習後の省内の話し合いで「あの地は習志野の原とでも命名してはどうか」との提案があったと記述。明治天皇の「篠原に習え」から名付けられたという説を否定し、「裏付けるような同時代の史料はなく、当事者の証言もない」と明記した。
一方、市教委は市ホームページで「明治天皇が命名された」と掲載していることについて、「宮内省の命令などは天皇の名前で行われるものであり、間違いではない」と説明。「天皇が直接言及していたなどの史料が出てくれば、この地名に関する研究を深められる」と述べている。
書籍の特徴
「図説 習志野市の歴史」は、2004年刊行の「新版 習志野-その今と昔」を全面改訂したもの。親しみやすさを重視し、全ページカラー化、図表を約2.4倍に増やすなどの工夫が施されている。価格は1冊1500円(税込み)。市役所2階社会教育課窓口で販売中で、郵送でも受け付けている。また、市役所グラウンドフロアの情報コーナーや市立図書館で閲覧できる。
この書籍は、地域の歴史を深く知る貴重な資料として、市民の関心を集めそうだ。



