太平洋戦争後、旧満州や朝鮮半島から引き揚げる途中に性暴力を受けた女性たちに、中絶手術を施していた福岡県筑紫野市の「二日市保養所」跡地で14日、水子の供養祭が執り行われました。参列した約50人は静かに手を合わせ、被害に苦しみ中絶を選んだ女性や胎児を悼み、この歴史を「風化させない」と誓いました。
二日市保養所の歴史
旧厚生省の引揚援護局が作成した資料などによると、二日市保養所は1946年3月に開設されました。引き揚げ途中に性暴力を受け妊娠させられた女性たちに対し、当時は違法だった中絶手術を、麻酔なしで極秘に行っていました。1947年秋ごろに閉鎖されるまで、400~500人の女性が手術を受けたとされています。
供養祭の様子
供養祭には、地元住民や歴史研究者ら約50人が参加。献花や読経が行われ、参加者は静かに祈りを捧げました。福岡市の助産師(83)は、「つらい思いをした女性たちがいたことを伝えなければならない」と語り、風化させてはならない歴史として後世に伝える決意を示しました。
この保養所の存在は長らく忘れられていましたが、近年の調査で明らかになり、今回の供養祭が初めて開催されました。主催者は「犠牲になった女性たちの尊厳を取り戻す第一歩にしたい」と述べています。



