東京都府中市在住の画家高井真さん(85)の個展が、武蔵野市吉祥寺東町1のリベストギャラリー創で13日まで開催されている。会場には高井さんが通い続ける信州・安曇野の風景画のほか、ウクライナや中東の戦禍拡大を受けて、自身が4歳で経験した東京大空襲を描いた古い作品も展示されている。これまでの画業をたどることができる内容となっている。
東京大空襲を描いた「恐れ」
高井さんが東京大空襲をテーマにした60号の大作「恐れ」を発表したのは1968年のことだ。作品には、恐怖の表情で空を見上げる子どもたちと、彼らをかばうような大人の姿が、力強い筆致と鮮やかな色彩で描かれている。当時、高井さんは荒川区に住んでおり、焼夷弾が次々と降り注ぎ、火の粉が舞う中を学校に向かって逃げた経験がモチーフとなっている。
この作品は長い間倉庫に保管されていたが、ウクライナやガザ、イランなどで人々が戦争に巻き込まれ命を落とす現状を受け、「戦争で犠牲になるのは軍人ではなく市民だ。今こそ見てもらおう」と出品を決意した。高井さんはここ40年ほど安曇野の自然を中心に描いており、「最近の作風とは違うので、みんな驚くと思う」と笑顔を見せる。
画業の集大成として
高井さんは現場で描き上げるスタイルを貫き、画家の妻佐和子さん(83)とともに安曇野に通い、「その瞬間」の景色をキャンバスに表現してきた。今回は「画業の集大成に」と昨年出版した画文集に収めた作品を中心に27点を展示。普段は自宅に飾っている幼い子どもの人物画なども並び、「いろいろな作品を楽しんでもらえたら」と語る。
個展の開催時間は正午から午後6時まで(13日のみ午後5時まで)。入場は無料となっている。



