沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ近くでフェンスの一部を損壊したとして、那覇地方検察庁は芥川賞作家の目取真俊(めどるましゅん)氏(65)を器物損壊の罪で在宅起訴した。起訴は6月3日付で、地検は認否を明らかにしていない。
起訴内容の詳細
起訴状などによると、目取真氏は2024年10月と12月の2回にわたり、キャンプ・シュワブ周辺にある防衛省沖縄防衛局が管理するガードフェンスの一部を手で引っ張り、折り曲げて損壊したとされる。フェンスは米軍基地の境界を示すもので、破損の程度は明らかになっていない。
目取真俊氏の経歴
目取真氏は1960年、沖縄県今帰仁村に生まれた。琉球大学卒業後、警備員や塾講師などの職を経て、高校教員となった。1997年、短編小説「水滴」で芥川賞を受賞し、作家としての地位を確立した。
作家活動と発言
目取真氏の作品は沖縄の歴史や風土に根ざしたものが多く、「水滴」では沖縄戦で亡くなった戦友の亡霊が奇病にかかった老人の前に現れるという寓話的な手法で戦争の傷を描いた。2004年には自身の脚本で小説「風音」を映画化した。小説以外にも、米軍基地問題などに関する発言で注目を集めてきた。
2000年には、ノーベル文学賞作家の大江健三郎氏と本紙上で対談し、「憲法のある日本のもとに帰れば、基地問題はじめ多くの問題は解決の糸口が見えるだろうと沖縄人は思っていた。しかし、実際には憲法の下で差別的な扱いがエスカレートしている」と述べるなど、基地問題に対する強い意見を表明している。



