兵庫県たつの市新宮町段之上の民家で5月、住人の田中澄恵さん(74)と娘の千尋さん(52)が殺害されているのが見つかった事件で、県警は4日、千尋さんへの殺人容疑で公開手配していた元隣人の大山賢二容疑者(42)=住居・職業不詳=が、たつの市内の川で遺体で見つかったと発表した。
また、事件現場の南隣の大山容疑者の元自宅から、澄恵さんの血が付いたペットボトルなどが見つかっていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
県警は一連の捜査を終え次第、大山容疑者を2人への殺人容疑で書類送検する方針。
胃の内容物なし、空腹状態だったか
県警によると、大山容疑者の遺体は3日午前10時20分ごろ、事件現場から約13キロ南の中川に浮いているところを通行人によって発見された。
司法解剖の結果、県警が最後に足取りを確認した5月20日ごろに死亡したと推定され、遺体が腐敗していた影響で詳しい死因はわからなかったという。
致命傷になりえる外傷はなかったが、手のひらや手の指に細かい切り傷などが確認された。
胃の内容物はほとんどなく、空腹状態だったとみられるという。
大山容疑者は5月13日ごろ、澄恵さん方で、千尋さんを刃物で複数回刺して殺害した疑いがある。千尋さんの遺体のそばでは、澄恵さんも複数の刺し傷を負って死亡していた。
県警は大山容疑者と2人の間のトラブルなどは把握していないという。
事件は19日午前、2人の遺体を安否確認に訪れたたつの署員が見つけて発覚した。
県警「やむをえない対応だった」
その3日前の16日深夜、大山容疑者は現場から約30キロ離れた兵庫県高砂市内の歩道で寝ているところを高砂署員に職務質問され、「人を殺した」「たつの」などと述べたため、高砂署で事情聴取を受けた。
ただ、殺害相手や日時など具体的なことは明かさず、血の付いた刃物や衣服も持っていなかった。
署員は証言の信憑性は低いと判断し、17日未明に大山容疑者を約10年前に住んでいた元自宅の近くまで車で送り届けた。
捜査関係者によると、署はこの出来事を殺人などの捜査を担う県警本部刑事部に報告せず、たつの署に連絡して刑事部に共有されたのは事件発覚当夜だったという。
県警幹部は当時の対応について「状況からやむを得ない対応だったと考える」と取材に答えた。
捜索に警察官600人動員
大山容疑者の元自宅は現在空き家で、県警は家宅捜索を行い、血の付いたペットボトルなどの証拠を押収した。大山容疑者の遺体発見を受け、県警は一連の捜査を終え次第、書類送検する方針だ。



