元福岡県議、収賄罪を全面否認 5500万円超は「純粋な政治献金」と主張
跳躍器具を活用した高齢者向け運動教室の開催に対する福岡県の助成事業をめぐり、収賄罪などに問われている元福岡県議の片岡誠二被告(59歳)が、2026年2月19日に福岡地裁小倉支部で開かれた初公判において、起訴内容を全面的に否認しました。被告は法廷で「賄賂を受け取った事実は一切ありません。あくまでも政治献金として受け取っていたものです」と強く主張し、無罪を求めました。
検察側の主張:事業予算の15%を賄賂として支払う合意があった
検察側は冒頭陳述において、詳細な立証を行いました。それによると、高齢者向け運動教室の助成事業が県の予算を獲得できた際に、その予算額の15%を支払うことについて事前に了承があったと指摘。さらに、この金銭の授受を「会社間の通常の業務委託料」として偽装し、巧妙に賄賂を受け取っていたと主張しています。具体的には、被告の妻が代表取締役を務める会社への業務委託料という形式をとり、2022年4月と2023年4月の2回にわたり、合計約5500万円が預金口座に振り込まれたとしています。
弁護側の反論:従来からの政治献金であり、予算とは無関係
これに対して弁護側は、検察側の主張を真っ向から否定。「被告には以前から継続的な政治献金があり、今回の金銭の授受はあくまでその一環であり、特定の予算案件に関連して支払われたものではありません」と反論。金銭の流れと事業予算の成立との間に直接的な因果関係はなく、純粋な政治活動の支援として行われたものであると強調しました。弁護側は、証拠の不十分さを指摘し、無罪判決を強く求めています。
事件の背景と被告の経歴
起訴状によれば、片岡被告は県議在職中に、高齢者向け運動教室への補助が盛り込まれた福岡県の2022年度および2023年度当初予算の可決などに向けて、便宜を図ったとされています。その見返りとして、跳躍器具の販売業者側から多額の金銭を受け取った疑いが持たれています。金銭の授受は、妻が代表を務める会社への業務委託料として装われ、犯罪収益の取得を仮装したものとされています。
片岡被告は福岡県議を2期にわたり務め、地域の政治活動に携わってきました。しかし、2023年4月に行われた県議選挙では落選し、現在は被告として司法の審理を受ける立場にあります。この事件は、地方政治における資金の流れと倫理の問題に改めて焦点を当てるものとなりました。
今後の裁判の行方
初公判では、検察側と弁護側の主張が明確に対立し、今後の証拠調べや証人尋問が重要な焦点となる見込みです。裁判は、政治資金と賄賂の線引き、および地方自治体の予算事業をめぐる透明性について、厳格な審理を進めていくことになります。次回公判では、より詳細な証拠の提出と、関係者への尋問が行われる予定であり、その結果が判決に大きく影響するとみられています。



