福岡県内のニセ電話詐欺被害が過去最多に、国際電話が6割を占める
福岡県内で2025年に発生したニセ電話詐欺の認知件数が1239件、被害総額が約54億9000万円に上り、ともに過去最多となったことが県警のまとめで明らかになった。新型コロナウイルス禍以降、増加傾向にあった詐欺被害がさらに深刻化している状況だ。
急増する被害額と巧妙化する手口
2025年の件数と被害額は、前年の849件、約23億3000万円からそれぞれ約1.5倍、約2.4倍に急増した。特に警察官をかたる手口が413件で3割超を占め、前年より271件増加している。被害額も約39億円と約3.3倍に拡大した。
国際電話番号の使用が目立つ点が特徴で、ニセ電話詐欺で使われた番号のうち、「+1」や「+44」などで始まる国際電話が6割を占めた。これにより、発信元を特定しにくくしているとみられる。
高齢者への被害が深刻
被害者のうち、65歳以上の高齢者の割合はニセ電話詐欺全体で約5割に上った。特に息子などをかたるオレオレ詐欺では、高齢者の割合が9割以上に達している。昨年11月には北九州市の70歳代女性が警視庁の警察官を名乗る男らから「お金を悪用されている」などと言われ、計約4600万円を詐取される事件も発生した。
県警は摘発と啓発を強化しており、2025年後半からニセ電話詐欺の件数は鈍化傾向にあるという。しかし、SNSを利用した投資詐欺やロマンス詐欺の被害が深刻化しており、総合的な対策が求められている。
SNS型詐欺の被害が拡大
2025年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害は761件、約80億2000万円に上った。統計を取り始めた2024年と比べてともに約15%増加し、被害額はニセ電話詐欺を上回っている。
接触方法をみると、投資詐欺ではインスタグラム、LINE、ユーチューブの順に多く、ロマンス詐欺ではマッチングアプリ、インスタグラム、フェイスブックが主な経路だった。いずれの詐欺もLINEに誘導され、被害に遭うケースが9割に達している。
県警は「引き続き怪しい電話やメッセージには警戒してほしい」と注意を呼び掛けており、特に高齢者への啓発活動を強化する方針だ。国際電話番号を使った巧妙な手口やSNSを利用した新たな詐欺手法に対し、継続的な対策が急務となっている。



