元恋人との復縁願い新興宗教に516万円献金も…女性の返還請求を大阪地裁が棄却
元恋人との復縁を願って新興宗教に多額の献金を行ったものの、その願いがかなわなかったとして、大阪府内の元信者の女性が宗教団体と教祖を相手取り、献金の返還などを求めた訴訟の判決が2026年3月27日に大阪地裁で言い渡されました。荒谷謙介裁判長は女性の請求を棄却しました。
恋愛成就をうたう宗教団体に2009年に入信
訴状によりますと、女性は「日本で唯一の恋愛成就の大聖天様」と称する宗教団体に2009年、元恋人との復縁を願って入信しました。女性は復縁だけでなく、母親の健康や自身が経営する喫茶店の繁盛も祈願し、祈禱料などを含めて合計516万円を献金したとされています。
しかし、元恋人との復縁は実現せず、母親は大病を患い、喫茶店の売り上げも減少したという状況に陥りました。女性はその後、2022年7月に発生した安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の献金問題が社会的に注目される中で、自身も同様の被害に遭ったと考え、訴訟を提起した経緯があります。
「祈禱すれば願いは必ずかなう」と説明か
訴訟において女性側は、教祖が「祈禱すれば願いは必ずかなう」と説明する一方で、「深い信仰心がないと災いが起こる」などと述べ、女性の自由な意思決定を奪ったと主張しました。さらに、宗教活動として「社会的に相当な範囲を逸脱していた」と訴え、献金の返還を求めました。
これに対して被告側は、献金については女性の意思を確認していたと反論し、元恋人とは連絡が取れるようになったため、願いの一部はかなったと主張しました。裁判では、これらの主張を踏まえて審理が行われましたが、最終的に大阪地裁は女性の請求を退ける判決を下しました。
判決の背景と社会的影響
この判決は、新興宗教と信者間の金銭的トラブルをめぐる裁判の一例として注目されます。近年、宗教団体への献金を巡る問題が社会的に議論される中で、信者の意思決定の自由や宗教活動の適切性が問われるケースが増えています。
大阪地裁の判断は、献金が宗教的活動の一環として行われたことを重視し、女性側の主張を認めなかったものとみられます。この判決は、今後の類似の訴訟や宗教団体の活動に影響を与える可能性があります。
女性は復縁を強く願い、多額の献金を行ったものの、その結果が伴わなかったことで精神的・経済的な負担を負ったとされています。この事件は、個人の信仰と金銭的関与の境界線について、社会全体で考えるきっかけとなるでしょう。



