電気がつかない…修理を呼んだら50万円請求 足立区女性が語る「ブレーカー工事詐欺」の手口
「ブレーカーを交換しないと火事になる」などと脅し、不必要な工事で代金をだまし取ったとして、警視庁が20~30代の男4人を詐欺などの疑いで逮捕した。この事件では、「プロが即日解決」「最短10分で訪問」とうたうサイトを通じて、電気工事の資格がない容疑者らが注文を集めていた。実際に修理を依頼し、不審に思い通報した東京都足立区の女性(67)が、その詳細な手口を振り返った。
「130ボルトになっている。全部交換した方がいい」
昨年3月末、台所と和室の照明がつかなくなった女性は、早く直してもらいたいと、インターネットで見つけたサイトの電話番号に連絡した。オペレーターに住所と連絡先を伝えると、数分後に作業員を名乗る男性から折り返しの電話があり、約1時間で自宅に到着した。
作業員は照明を取り外した後、「ブレーカーはどこですか?」と尋ね、女性が案内すると、電圧計測器のようなものを当てて「100ボルトだと正常だが、130ボルトになっている。危ない」と数字を示した。さらに、ブレーカーを指さし、「全部交換した方がいい」と勧めながら、50万円以上の工事費用を提示したという。
女性は「あまりに高いからおかしいと思った」と語る。数年前にも分電盤を取り換えた経験があり、「その時は確か5万円くらいだった」ため、故障部分だけの修理を依頼したが、作業員は「38万円だ」と答えた。
まさかこんな詐欺に…「検索が怖くなった」
不審に思いながらも手元にあった18万円を渡すと同時に、夫に連絡。勤務先から東京電力に電話した夫も不審に思い、帰宅後も作業員が自宅に残っていたため、110番通報した。警察官が駆けつけ、作業員は任意の聴取を受け、現金は女性宅のポストに戻されていた。その後、約1年を経て、この作業員を含む4人が逮捕された。
女性は「まさかこんな詐欺に遭うとは。ネット検索が怖くなった」と心境を明かした。事件に関わったサイトは「マッハ電気修理」と名乗り、「即日解決」「最短10分」をアピールしていたが、容疑者らは電気工事士の資格を持っていなかった。
東京電力の担当者は「分電盤の電圧が130ボルトまで上がることは通常ない。不安に感じたらすぐ相談を」と呼びかけている。相談窓口としては、パワーグリッドコンタクトセンター(0120-995-007)や各地域の消費生活センターが対応している。
この事件は、高齢者を狙った悪質な詐欺の一例として、消費者への注意喚起が強く求められる。警視庁は同様の手口による被害が他にもある可能性を指摘し、調査を進めている。



