金融機関の取引監視が詐欺グループの「受け子」逮捕に直結、宮城県内で初の事例
仙台市内の60歳代女性が詐欺被害に遭っている可能性を金融機関が取引監視で発見し、宮城県警が先月、SNS型投資詐欺の実行役を詐欺容疑で逮捕していたことが明らかになった。金融機関の取引監視に基づく通報が直接、実行役の検挙に結びついたケースは県内で初めてとなる。通報を受けた捜査員が迅速に被害者に接触したことで被害が判明し、早期の証拠収集による検挙や被害の拡大防止につながったという。
LINEで投資を持ちかけ、自宅で現金1000万円をだまし取る
宮城県警察本部などによると、逮捕されたのは神奈川県座間市の46歳の男(詐欺罪で起訴)である。何者かと共謀し、LINEのメッセージで仙台市太白区の無職女性に投資を持ちかけ、昨年12月11日、女性宅で現金1000万円を受け取ってだまし取ったとされる。この男は詐欺グループの「受け子」役とみられ、今年3月に逮捕・起訴されていた。
楽天銀行が送金停止と警察通報、翌日には被害者接触で全容判明
詐欺被害の兆候に気付いたのは、楽天銀行(東京)の担当者だった。女性は昨年12月、詐欺グループに指定された口座に400万円を送金しようとしたが、同行の担当者から送金の理由を裏付ける資料の提出を求められたのに応じなかったため、同行が送金を停止。県警に通報した。
その翌日には仙台南署員が女性に接触したことで、女性は計2100万円の詐欺被害に遭っていることに気付いた。その際、女性は自宅で1000万円を被告に手渡したばかりだったため、県警が証拠の収集を早期に進められて被告の逮捕に至った上、女性の更なる被害の防止につながったという。
警察庁との協定が効果、昨年は約1億3000万円の被害を未然防止
楽天銀行は2025年8月に警察庁とこうした情報共有に関する協定を締結していた。2月時点の締結機関は30に上り、昨年の県警への通報は116件、未然に防いだ額は計約1億3000万円に上るという。この事例は、金融機関と警察の連携が詐欺被害の早期発見と防止に大きく貢献することを示している。
今回のケースでは、銀行の迅速な対応が被害者のさらなる金銭的損失を防ぎ、同時に捜査の早期開始を可能にした。宮城県警は、金融機関からの通報を基にした捜査手法の有効性を強調しており、今後も同様の連携を強化していく方針を示している。詐欺グループは巧妙な手口で高齢者を狙うケースが多く、金融機関の監視体制の重要性が改めて浮き彫りとなった。



