日本板硝子が株式非公開化へ、米ファンドなどから3000億円の支援受け経営再建加速
ガラス製造大手の日本板硝子株式会社は、2026年3月24日、米投資ファンドや主要金融機関から総額約3000億円の資金支援を受けることを正式に発表しました。これに伴い、同社は2026年11月を目途に株式を非公開化し、東京証券取引所プライム市場からの上場廃止を計画しています。この決断は、過去の大型買収で膨らんだ多額の有利子負債を抱える同社が、事業改革を推進し、経営再建を急ぐための重要なステップと位置付けられています。
アポロ・グローバル・マネジメントを中心とした資金調達スキーム
具体的な支援内容としては、まず米投資ファンド「アポロ・グローバル・マネジメント」を引受先とする第三者割当増資により、約1650億円を調達します。この資金は、既存株主からの株式買い取りに充てられ、買取価格は1株あたり500円に設定されています。日本板硝子の株価は、非公開化の方針が報道された3月24日には、前日比80円高の485円まで上昇し、市場関係者の注目を集めました。
さらに、三井住友銀行をはじめとする主要金融機関からは、債務の株式化を通じて約1400億円の追加支援を受ける予定です。これらの資金調達は、2026年6月下旬に開催予定の定時株主総会で必要な賛同が得られれば、正式に実行に移されます。
過去の大型買収が招いた経営課題と業績低迷
日本板硝子が現在直面している経営課題の根源は、2006年に実施した英ガラス大手ピルキントンの買収に遡ります。当時、世界シェア6位だった日本板硝子が、3位のピルキントンを約30億ポンド(当時のレートで約6160億円)で買収したことは、「小が大を飲む買収」として大きな話題となりました。
しかし、2008年のリーマン・ショックやその後の市況悪化により業績は低迷し、買収時の借り入れに伴う金利負担が重くのしかかりました。その結果、有利子負債額は2025年3月末時点で約5200億円にまで膨らみ、資金繰りが逼迫する状況が続いていました。
- 建設需要の鈍化や米国の関税政策の影響も追い打ちをかけ、業績は悪化の一途を辿りました。
- 2025年3月期までの5年間で累計約500億円の最終赤字を計上するなど、経営再建が急務となっていました。
非公開化後の事業改革と成長戦略
非公開化後、日本板硝子はアポロ・グローバル・マネジメントの豊富な投資知見を活用し、事業改革を本格化させる方針です。特に、太陽光発電用ガラスなどの成長分野への投資を加速させ、収益基盤の強化を図ります。
細沼宗浩社長は今回の決断について、「今回の決断が必要不可欠で最善だと強く信じている」とコメントし、非公開化を通じた経営の自由度向上と迅速な意思決定による再建への強い意欲を示しました。今後、同社は米投資ファンドの傘下に入り、経営再建と新たな成長戦略の実行に集中することが期待されています。



