カンボジア北西部ポイペトを拠点とした特殊詐欺事件で、愛知県警などの合同捜査本部は20日、国外移送目的略取の疑いで、長崎県佐世保市勝富町、飲食店員鈴木恒輔容疑者(34)を逮捕したと発表した。住居不定の無職男性(35)を「かけ子」にさせるため、リクルーターとして現地に送り込むことを主導したとみられる。
逮捕の経緯と容疑内容
逮捕容疑では他の人物と共謀して、昨年2月25日夜、カンボジアに移送するため、無職男性を愛知県安城市内の路上で車に乗せた上、スマートフォンを取り上げて「金借りとるやつが、逃げるのか」などと脅迫。中部国際空港(同県常滑市)に連れて行ったとされる。合同捜査本部は認否を明らかにしていない。
被害男性の状況
男性は当時、数千万円の借金があり、知人だった同県刈谷市の59歳と、41歳の男性2人=国外移送目的略取容疑で逮捕、不起訴=を介して鈴木容疑者と引き合わされた。同容疑者は詐欺組織とつながりがあるとみられ、借金返済を名目に男性を現地で働かせることを発案したという。男性は現地で拘束後に日本に移送され、詐欺未遂容疑などで逮捕されたが、不起訴となった。
リクルーターの手口
知人男性2人は取材に、鈴木容疑者は「上場企業の社長」を自称し、準暴力団組織との関係をほのめかしていたと証言している。かけ子として送られた男性は取材に「乗っていた車に、いきなり鈴木という男性が入ってきた」と話していた。
今回の逮捕で、リクルーターとしての役割を担った人物の摘発が進んでいる。捜査本部は、詐欺組織の実態解明をさらに進める方針。



