観光農園の違法投資勧誘で元幹部らに巨額賠償命令
名古屋地方裁判所(作田寛之裁判長)は2026年3月26日、破産した岡山県の観光農園「西山ファーム」の違法な投資勧誘で損害を受けたとして、愛知県・岐阜県・三重県などの原告約40人が、同社の元幹部や関連会社などに対し損害賠償を求めた訴訟の判決を言い渡した。裁判所は被告側に対し、総額約2億8600万円の支払いを命じる判決を下した。
架空取引による資金調達スキームを認定
判決によると、西山ファームは商品をクレジットカードで購入してもらい、決済代行会社を通じてその立て替え払いを受けて事業資金に充てた上で、相手から商品を買い戻す形式を取るという資金調達スキームを展開していた。この仕組みでは、後日、購入代金に一定の利益を上乗せして支払うことが約束されていた。
しかし、原告らはこのスキームに参加したものの、西山ファームからの約束された支払いを受けられず、大きな経済的損害を被ったと訴えていた。判決は西山ファームに関して、遅くとも2016年末頃までには、商品の仕入れなどを行わない架空の取引を行うようになったと明確に認定した。
「利益の裏付けとなる原資がなく破綻は免れない」
裁判所は判決文の中で、「利益の裏付けとなる原資がなく、取引を続ければ、いずれ破綻を免れないことは明らかだった」と指摘。継続的な投資勧誘行為は違法であると判断し、被告のうちスキームの継続に重要な役割を担ったと認定された元幹部や関係会社などの賠償責任を認めた。
この判決は、実体のない取引を装った資金調達手法の違法性を司法が厳しく断じた点で注目される。原告約40人は、愛知県を中心に岐阜県や三重県など中部地方の広範囲から集まっており、被害の規模と地域的広がりを示している。
元幹部らの責任を明確化
判決では、被告側のうち特に以下の点が重視された:
- スキームの継続に重要な役割を担った元幹部
- 関連会社として関与した組織
- 違法な勧誘行為を認識しながら継続した責任
西山ファームはかつて観光農園として営業していたが、後に投資勧誘事業に重点を移し、多数の投資家から資金を集めていた。今回の判決は、そうした事業活動の違法性を司法が正式に認定した初めてのケースとなる。
賠償命令の対象となった約2億8600万円は、原告らが被った実際の損害額に基づいて算定された。裁判所は、被告側が適切な説明なくリスクの高い投資を勧誘した点を問題視し、投資家保護の観点からも違法性を認めた。



