警視庁交通捜査課は21日、偽の覆面パトカーを走行させ、飲酒運転による事故を起こして同乗者に重傷を負わせたとして、埼玉県戸田市の無職・中村蓮容疑者(23)を道交法違反(整備不良)と自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕したと発表した。
また、この車にサイレンを取り付けるなど不正改造したとして、道路運送車両法違反の疑いで、同市の会社員・真下義士容疑者(22)も逮捕された。
中村容疑者の逮捕容疑は、昨年12月21日午前1時20分ごろ、東京都練馬区春日町1の路上で、緊急用車両でもないのに赤色灯をともし、サイレンを鳴らしながら、酒に酔った状態で乗用車を運転。電柱に衝突し、同乗していた女性(22)に胸の骨を折る全治3カ月のけがを負わせたとされる。
捜査関係者によると、中村容疑者は事故当時、呼気から基準値の2倍以上のアルコールが検出された。事故を起こすまでの約10キロを信号無視や速度違反をしながら走行していたという。
「サーキットでの快感」が動機
同課によると、中村、真下両容疑者は偽の覆面パトカーをサーキットで走らせ、犯人役の車を追う様子を撮影し、SNSで発信するグループに入っていた。中村容疑者は「サーキットで感じた気持ちよさを一般道でも感じたかった」と容疑を認めているという。
このグループは、サーキット場で偽の覆面パトカーを使い、追跡劇を再現した動画を撮影し、インターネット上で公開していたとみられる。中村容疑者は、その興奮を一般道路でも味わいたいと考え、飲酒した上で危険な運転に及んだとみられる。
事故の詳細
事故発生時刻は深夜で、現場は住宅街の道路。中村容疑者は赤色灯を点滅させ、サイレンを鳴らしながら猛スピードで走行。交差点で電柱に衝突し、車は大破した。同乗の女性は胸部を強く打ち、重傷を負った。
警視庁は、中村容疑者が飲酒運転であることを認識しながら、あえて危険な運転をしたと判断。危険運転致傷罪を適用した。
偽覆面パトカーの入手経路
捜査関係者によると、中村容疑者が使用した車両は、もともと一般の乗用車だったが、真下容疑者が赤色灯やサイレンを取り付けるなど、不正改造を施した。2人はインターネットを通じて知り合い、サーキットでの撮影を目的に車両を準備したとみられる。
真下容疑者は、道路運送車両法違反の疑いで逮捕されており、警視庁は不正改造の実態についても詳しく調べている。



