福島原発事故の株主訴訟、最高裁に意見書提出 原告ら「東京電力の責任認めて」
東京電力福島第1原発事故の被害者を含む株主たちが旧経営陣に損害賠償を求めた株主代表訴訟の上告審を巡り、原告や弁護団らが3月12日、賠償請求を退けた二審東京高裁判決の破棄を求める意見書を、最高裁第2小法廷に提出しました。最高裁前に集まった原告らは「高裁判決を覆そう」と声を上げ、東京電力の責任認めを強く訴えました。
「最高裁裁判官に福島の被害知ってほしい」
金沢市で避難生活を続ける浅田正文さん(84)は「高裁判決の内容はひどい。最高裁はぜひとも東京電力の責任を認めてもらいたい」と強調しました。福島県の武藤類子さん(72)は「経営陣がどれほどひどい過失を犯したかを知るためにも、福島でどんな被害が起きたのかをもう一度、裁判官の皆さんに知ってほしい」と訴えました。
この訴訟は2012年3月に提訴され、2022年7月の一審東京地裁判決は、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した「長期評価」に「相応の科学的信頼性がある」と判断。巨大津波を予見できたのに対策を怠ったとして旧経営陣の過失責任を認め、清水正孝元社長(81)らに計13兆3210億円の支払いを命じていました。
二審判決は「予見不能」と判断
しかし、昨年6月の二審判決は、事故を防ぐには原発の運転停止しかなかったと指摘。長期評価は停止を指示する根拠には不十分で、巨大津波は予見不能だったとして一審判決を取り消しました。原告側はこの判断を不服として上告し、現在第2小法廷が審理を進めています。
原告らは最高裁前でのアピールを通じて、福島で実際に起きた被害の実態と、東京電力旧経営陣の過失の重大性を改めて裁判官に認識してもらうことを強く求めています。この訴訟の行方は、今後の原発事故責任を巡る司法判断に大きな影響を与える可能性があります。



