診療科名に「睡眠障害」が追加、厚労省が了承…通院先選びの利便性向上へ
厚生労働省の医道審議会専門部会は6日、医療機関が名乗る診療科名に「睡眠障害」を追加することを正式に了承した。厚労省は2026年中にも関連法令を改正し、導入を進める方針で、睡眠に関する問題を抱える人々が適切な通院先を選択しやすくなることが期待されている。診療科名の追加は実に18年ぶりの出来事となる。
医療法に基づく診療科名の体系と新たな追加
医療機関が路上や駅の広告、看板で表示できる診療科名は、厚生労働省が医療法に基づいて定めている。これには「内科」「外科」「小児科」など、単独で名乗れる基本的な20種類の領域があり、さらに「糖尿病内科」「脳神経外科」のように、基本的な領域との組み合わせで使用できる領域が存在する。
今回了承された「睡眠障害」は、この組み合わせで使われる領域に該当する。これにより、医療機関は「睡眠障害内科」や「睡眠障害精神科」といった形で表示することが可能になる。この変更は、患者が自身の症状に合った専門科を一目で識別できるよう、利便性を高めることを目的としている。
睡眠障害の現状と患者の受診環境の課題
睡眠障害には、不眠症や睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする睡眠時無呼吸症候群、夜間に十分な睡眠をとっても日中に強い眠気を感じる過眠症など、多様な症状が含まれる。成人の約5人に1人が何らかの睡眠問題を抱えていると推定されており、これは現代社会における重要な健康課題の一つとなっている。
現在、睡眠障害の診療は精神科、内科、耳鼻咽喉科など、複数の科にまたがって行われているが、患者は受診先に迷うケースが少なくない。日本睡眠学会は長年、分かりやすい診療科名の必要性を訴えてきた。新たな科名の追加により、患者が適切な医療機関を迅速に見つけられる環境が整う見込みだ。
今後の展望と社会への影響
厚生労働省は、関係法令の改正を経て、2026年中の導入を目指している。この措置は、睡眠障害に悩む人々の医療アクセスを改善し、早期診断や適切な治療につなげることを期待している。また、医療機関側にとっても、専門性を明確に示すことで、患者の信頼獲得や診療効率の向上が期待される。
この動きは、高齢化やストレス社会の進行に伴い増加する睡眠問題に対応する、国の医療政策の一環として位置づけられる。今後、睡眠障害の認知度向上や予防啓発活動との連携も視野に入れ、総合的な対策が進められる可能性がある。



