麻酔の種類と術前準備を徹底解説 福島赤十字病院の専門医が詳説
麻酔の種類と術前準備を専門医が解説

麻酔の基本と術前の心構えを専門医が詳説

福島赤十字病院(福島市)の「健康ジャーナル」では、医療専門家が健康に関する多彩な話題を提供しています。今月は副院長で麻酔科医の出羽明子先生が、麻酔の種類と手術前の準備について詳しく解説します。

麻酔の主な種類とその特徴

麻酔には大きく分けて全身麻酔区域麻酔の二種類があり、手術内容や患者の状態に応じて単独または併用で選択されます。麻酔医が最適な方法を決定します。

全身麻酔の詳細なプロセス

全身麻酔は、薬剤を用いて意識を消失させ、眠った状態で手術を受ける方法です。まず酸素を吸入した後、点滴から鎮静薬を投与して眠りに誘導します。眠っている間は呼吸が停止するため、気管にチューブを挿入し、人工呼吸器で呼吸を管理します。手術中、麻酔医は患者の状態や手術の進行に合わせて麻酔の深度や呼吸器設定を調整します。手術終了後、麻酔薬の投与を中止し、目覚めを待ちます。覚醒時間は手術内容や患者の状態により異なりますが、自発呼吸が回復し、血圧や脈拍が安定すれば手術室を退室します。

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区域麻酔の具体的な手法

区域麻酔は、手術部位を中心に麻酔する方法で、単独では意識を失いません。主な手法として以下の三つがあります。

  • 硬膜外麻酔: 脊椎内の硬膜外腔に局所麻酔薬を注入し、痛みを緩和します。カテーテルを挿入し、術後も持続的に鎮痛を行います。
  • 脊髄くも膜下麻酔(下半身麻酔): 腰から針を穿刺し、脊髄液に局所麻酔薬を注入して脊髄を麻痺させます。効果持続時間は3~6時間で、感覚が消失します。
  • 末梢神経ブロック: 神経沿いに局所麻酔薬を注射し、特定領域の痛みを除去します。超音波装置などで確認しながら行い、全身麻酔と併用されることが多いです。

麻酔前の準備と注意点

安全な麻酔のためには、術前の準備が不可欠です。麻酔医による術前診察で患者の状態を把握し、適切な麻酔法を選択します。説明後、患者や家族に詳細を伝えます。術前の心がけとして、以下の点が重要です。

  1. 絶飲食: 胃内容物の誤嚥を防ぐため、一定時間の絶飲食を守りましょう。緊急手術時も同様です。
  2. 禁煙: 手術決定後は直ちに禁煙し、術後の合併症リスクを低減させます。
  3. ネイル・メイクの除去: ネイルは酸素測定を妨げるため除去し、メイクは顔色の確認が難しくなるため控えましょう。
  4. 体調管理: 風邪などで体調不良の場合は、手術延期の可能性があるため主治医に相談してください。

詳細は公益社団法人日本麻酔科学会のホームページ「一般の皆様 麻酔を受けられる方へ」を参照してください。次回は耳鼻咽喉科部長の三浦智広先生が「鼻出血」をテーマに解説します。

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