コロナ5類移行から3年、死者数なおインフル超え 高齢者97%
コロナ5類移行3年、死者数なおインフル超え

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類に移行してから、2025年5月で3年が経過した。夏と冬に訪れる流行の波はピーク時に比べ縮小傾向にあるものの、国の最新の人口動態統計によると、2025年11月の全国の死者数は1カ月で1208人に上った。インフルエンザなど他の感染症と比較して、死者数が圧倒的に多い状況が依然として続いている。

高齢者が死者の97%を占める

急激な感染拡大は収束したとはいえ、体力の弱った人が感染すると危険な病気であることに変わりはない。油断は禁物である。2024年1年分のデータでは、全国の死者数は3万5865人で、65歳以上の高齢者が97%を占めている。同年の本県の死者は725人だった。

データがまとまっていない2025年以降も、高齢者の割合が高い傾向が続いているとみられる。高齢者や基礎疾患のある人は、マスク着用や換気など基本的な感染防止対策を徹底してほしい。

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ワクチン接種の自己負担増加

5類移行により、特例で無料だったワクチン接種や治療への公費支援が段階的に縮小された。65歳以上の高齢者と60~64歳で基礎疾患のある人を対象とした定期接種は毎年行われているが、低所得者向けを除いて国の助成は終了している。定期接種の費用を独自に補助する自治体もあるものの、自己負担額が1万円を超えるケースもあり、接種控えが起きているとみられている。

費用はかかるが、ワクチンを接種することで重症化リスクを低減できる。定期接種の対象者は、できる限り接種を受けることを検討してほしい。

医療逼迫の教訓と今後の備え

コロナ禍では本県でも医療機関が逼迫し、入院できず自宅待機を強いられるケースがあった。流行が収束した今、政府や自治体が取り組むべきは、新型コロナの再流行や新たな感染症への備えだ。

国は2024年、重大な感染症危機などに備え情報や知見の収集に当たる専門家組織、国立健康危機管理研究機構「JIHS(ジース)」を新設した。一方、県は新たな感染症の発生・まん延時に必要な病床や医療従事者の確保、発熱外来の設置ができるよう体制整備を図っている。

国や県、医療機関が平時から感染症の大流行に備えて、情報収集の強化や病床の確保を進めるのは最低限の取り組みだろう。これらの備えを有効に機能させるには、有事に想定される課題の洗い出しが欠かせない。国や県などは定期的に行っている図上訓練などを通じて、体制の点検と見直しを絶えず進めていく必要がある。

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