埼玉県立小児医療センターで髄腔内注射中止、患者35人に転院などの影響
埼玉県立小児医療センターで注射中止、患者35人に影響 (25.03.2026)

埼玉県立小児医療センターで髄腔内注射中止、患者35人に転院などの影響

埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)において、抗がん剤の髄腔内注射を受けた患者が死亡した深刻な問題が発生しました。この事態を受けて、同センターでは昨年11月から全ての髄腔内注射を中止しており、その結果として患者35人が転院を余儀なくされるなど、大きな影響が出ていることが明らかになりました。

医療事故の詳細と経緯

同センターでは、昨年1月から10月にかけて髄腔内注射を受けた患者5人に神経症状が確認されました。そのうち1人は残念ながら死亡し、2人が重体となるという深刻な事態が発生しました。さらに、この3人の髄液から分析を行った結果、髄腔内注射には通常使用されない抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されたことが判明しています。

髄腔内注射は、急性リンパ性白血病の治療において標準的な治療法として確立されています。しかし、今回の事故を受けて、センターは昨年11月11日以降、全ての髄腔内注射を中止するという重大な決断を下しました。この措置により、患者たちは転院を強いられたり、別の医療機関で注射を受けなければならなくなったりしています。

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医療体制への影響と対応

岡明病院長は、県内や都内の医療機関の協力を得ながら対応しているものの、「小児がん患者の診療が滞っていることに、非常に責任を感じている」と述べ、深刻な状況を認めています。本来であれば年間70人ほどの患者が入院する施設であるにもかかわらず、白血病患者の新規受け入れも原則として停止されている状態が続いています。

同センターは今月24日、第三者機関である「医療事故調査・支援センター」に今回の問題を正式に報告しました。今後は、院内の調査対策委員会に外部委員を2~3人増員し、医療事故調査制度に基づく事故調査委員会に改組して、再発防止策を徹底的に検討していく方針です。

情報共有の遅れと改善策

県議会福祉保健医療委員会では、報告の遅れを指摘する質疑が相次ぎました。センター側は昨年11月にさいたま市保健所に事態を報告していましたが、県が状況を把握したのは今年2月27日と、約3ヶ月もの時間が経過していました。

県立病院を所管する県保健医療部の縄田敬子部長は、「11月の段階で報告があれば、その段階での公表なども考えられた。遅かったんじゃないのとは思っている」と述べ、情報共有体制の改善に取り組む意向を示しています。

委員会では、センターを運営する県立病院機構と県に対し、原因究明と再発防止の徹底を求める決議案が可決されました。今後の対応が注目されます。

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