四日市市、全国で開始の「誰でも通園制度」を実施できず 保育士不足が背景
三重県四日市市の森智広市長は14日の定例記者会見で、全国の自治体で今月から始まった「こども誰でも通園制度」について、同市では実施できなかったことを明らかにした。森市長は「制度が実施できなかったことは申し訳ない」と謝罪し、その理由として保育士不足を挙げた。
待機児童解消が最優先課題に
森市長は会見で「まずは待機児童の解消に全力で取り組みたい」と強調した。背景には、同市の待機児童問題がある。市によると、認可保育所などの空きを待つ待機児童は2023年度まではゼロだったが、2024年度当初は72人、2025年度当初も56人と解消できていない状況だ。今年度の待機児童数は5月初旬に判明するという。
「背景には保育士不足がある」と森市長は指摘。「保育士を増やして受け入れの子供たちを増やしていくことが先決」としたうえで、「可能なところで、こども誰でも通園制度を実施していければ」と述べ、将来的な制度導入への意欲を示した。
「誰でも通園制度」とは
この制度は、親の就労状況に関係なく保育施設が利用できるようになる新たな取り組みだ。具体的には、保育所や幼稚園などが生後6か月から2歳の未就園児を月10時間を上限に受け入れる。全国的に導入が進められているが、四日市市のように実施に至らない自治体も存在する。
四日市市では、待機児童問題が深刻化する中、限られた保育士資源を既存の保育需要に対応させることを優先せざるを得ない状況だ。森市長の発言は、自治体が直面する保育現場の現実的な課題を浮き彫りにしている。
今後の課題として、同市は保育士の確保と待遇改善に力を入れる方針を示しており、これが待機児童解消と新制度導入の鍵となる見通しだ。地域の子育て支援をめぐる動向から目が離せない。



