生活保護費減額分の補償、3月より開始 自治体が申請窓口に
2013年から2015年にかけて実施された生活保護費の引き下げが違法であるとした最高裁判決を受け、厚生労働省は2月20日、減額分の一部を補償する措置を3月に開始すると正式に告示しました。補償の申請窓口は各自治体が担当し、対象となる世帯は約280万世帯に上ると見込まれています。
補償対象と受給スケジュールの詳細
補償の対象者は大きく二つに分けられます。まず、当時の記録が残っている原告については、速やかに補償金を受け取ることが可能です。一方、原告以外の方々については、現在も生活保護を受給している場合は2026年度中に支給が行われます。
現在、生活保護から外れている人や世帯については、自治体に当時の記録が残っていないケースがあるため、補償を受けるには申請が必要です。申請の受付は今年の夏頃から開始され、受給時期は夏以降となる見通しです。
補償額と特別な配慮
補償額は地域や世帯構成によって異なりますが、厚生労働省によると、1世帯当たりの目安は原告が「おおむね20万円」、原告以外が「おおむね10万円」とされています。また、原告に対しては、訴訟に伴う負担などを考慮し、「特別給付金」が別途支給される予定です。
申請時には、当時の決定通知書などの資料を提出する必要があり、自治体はこれらの手続きをサポートします。上野賢一郎厚生労働大臣は記者会見で、「自治体と緊密に連携し、適切に対応していく」と述べ、円滑な実施を約束しました。
今後の展開と課題
原告側は、今回の補償が全額をカバーするものではないとして、不服申し立ての審査請求を行う方針を示しています。この動きは、補償の範囲や額を巡る議論が今後も続く可能性を示唆しています。
今回の補償措置は、過去の政策の見直しを反映した重要なステップですが、対象者の特定や申請手続きの複雑さなど、実務上の課題も残されています。自治体と厚生労働省の連携が、スムーズな実施の鍵を握ると言えるでしょう。



